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自由連想【39】予告(断片)②

さらにいつだったか3時ギリギリまで乳首を吸い合ったオザワヨシコもずっと遠くのどこかの布団に埋もれていた私は 一人途方に暮れながら まさに今この瞬間こっそり外に出てしまえばどんなに楽しいだろうと思った しかし先生たちから話を聞いた重三郎が絶対激怒するとわかっていた唯一僕だけが オザワヨシコがぶちまかした牛乳の片づけを手伝い あれだけ毎日オザワヨシコの乳首にうんちをつけたいと騒いでいた肝心のヨシカワナガトシもただ茫然としているだけで 危うくボットン便所に落ちかけて恐怖に引き攣った僕の顔を 鼠色の絨毯の真ん中から直視していたのは他ならぬ僕自身だった そこはちょうど漏らしたうんこをブッチのせいにした場所でもあり 本当にブッチのうんこかどうか顔を近づけて確認する重三郎に心底恐怖した僕は さらにチャナの意識がまだ朦朧としていたことにつけ込み ガラスを割ったことをチャナのせいにした緑の車のなかで 重三郎がそのことを改めてチャナにいったチャナが少し僕のほうを見た気がした しかもその日の昼食はいつもの肉なしカレーで アンが横長デブおばさんに謝ったのと同じようにはとても謝れない自分は つまりその分のマイナスに見合うだけの不幸を味わうことになるそれが 妻の余命宣告によってすでに清算されていることを期待しながら 「銀河鉄道の夜」と「星の王子さま」の名言をAIで集め 「トムソーヤの冒険」も見てみることにした どっこいところが トムソーヤの第一話はただのドタバタ劇のようにしか見えず アイツはもしかしたら瀬川兄弟の誰かだったかもしれない私たちはみんな繋がっていて 世界の最後の一人まで幸福になることが私たちが目指す神の道でもある だから僕は「よう!」と一方的にいって パラソルチョコになった口をオカムラ食品の用水路ですすごうとしたら 慎重かつ力強く握りすぎた草の束が土の塊ごと引き抜かれてしまい そのまま用水路に落っこちて 顔の半分ちかくまで水が迫ってきた しかし僕は たぶん溺れ死ぬことはあるまいと平行して 行政法の過去問をあと二日で一周するべく 生活保護や薬害手続きの相談や申請サポートを軸に 枠サポやグルテン不耐性の証明 学校給食への異議申請など 実に社会的意義の大きな木の下で 彼氏の候補になり損ねたデブタケな一生 それはまさに九死に一生から43年たったマエバラナオの反対ことオナラバエマがのしのしと現れた段ボールをぐしゃぐしゃに丸め さらにガムテープでぐるぐる固定した手作りサッカーボールで 毎日一人キャプテン翼ゴッコがゴールデンコンビとは 高屋のショウジこと翼くんとリョウタこと岬くんに視廻る大宇宙靈団 

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