NY証券取引所に上場しているマンチェスター・ユナイテッドの決算発表を徹底分析。売上高は820億円で、従業員は865人。
サッカークラブを運営しながら、株式上場しているクラブチームは海外においては珍しくありません。
ASローマ(Associazione Sportiva Roma)、SSラツィオ(Società Sportiva Lazio S.p.A.)、BVボルシア09 e.V. ドルトムント(Ballspielverein Borussia Dortmund)などが、各証券取引所に株式上場を行なっています。これらの株式を購入すれば、基本的には一般人が誰でもクラブチームの(一部)オーナーになることが可能です。
株式公開をしていると四半期に1回財務状況を公開する必要があり、その株式価値は一般投資家等から評価され、株価が常に公開されている状況になります。
(Google検索から引用)
これは、マンチェスター・ユナイテッドの株価推移です。2012年にニューヨークの証券取引所に上場し、初値は14ドルがついています。現在では、22ドルまで株価が上昇しています。2013年にファーガソンが退任したタイミングやチーム順位などと照らしてみると面白いかと思います。面白いことに財務状況もそうなのですが、監督の就任により株価が上下したりと、見えてくることがあります。
今回は株価の話ではなく、サッカークラブが四半期毎に開示している資料を元に、サッカークラブの決算資料の読み方などを解説していきたいと思います。実際にユースケースとしてマンチェスター・ユナイテッドを教科書にして、見ていきたいと思います。
IR資料等は、こちらからご覧いただけます。
マンチェスター・ユナイテッドのレベニュー
決算説明資料の解説の前に、マンチェスター・ユナイテッドの企業規模について概要だけ見ておきたいと思います。Revenueは日本でいう売上高で、2017年実績で5.8億ポンド≒820億円の売上高になっています。
(マンチェスターユナイテッド IR資料より引用)
これは世界1位の収益で、2位がレアル・マドリード、3位がバルセロナ、4位がバイエルン・ミュンヘンとなっています。
内訳を見るだけで、様々な財務体質が理解できます。サッカークラブの売上の見方は、主に3つの収益基盤があることから理解していきましょう。以下の3つです。
・商業収入(Commercial revenue)
・放映権収入(Broadcasting revenue)
・入場料収入(Matchday revenue)
マンチェスター・ユナイテッドの場合、商業収入が圧倒的に高いことが特徴的になっています。実に48%が商業収入で、放映権収入が33%、入場料収入が19%となっています。
(Football Money League 2018より引用)
これはヨーロッパリーグ平均を大幅に上回った比率です。ヨーロッパリーグの平均が、商業収入が38%、放映権収入が45%、入場料収入が17%ですから、マンチェスター・ユナイテッドの商業収入が如何に巨額かがわかります。
ちなみにマンチェスター・ユナイテッドとレアル・マドリードと収益の差は150万ユーロであり、これは2017年シーズンにマンチェスター・ユナイテッドがヨーロッパリーグに優勝した賞金300万ユーロを獲得したことによる追加賞金が関係したことも興味深くあります。
ここからはマンチェスター・ユナイテッドが何故世界収益トップになったかの解説に加え、費用構造など決算発表を元に、解説していきたいと思います。
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・マンチェスター・ユナイテッドの収益向上の理由を徹底分析
各収益セグメントで最も伸びているのは、●●収益
商業収入(Commercial revenue)世界一の理由
アディダス社との巨額契約はレアル・マドリード以上
・マンチェスター・ユナイテッドの全体PL
従業員は865人、選手より多い●●職
人件費上昇の理由を分析
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