5-3-4 プロジェクトのスコープ
プロジェクトスコープマネジメントは、プロジェクトに必要な作業を過不足なく含めることを目的に行われる。
■プロジェクトスコープ
プロジェクトスコープとは、プロジェクトの範囲であり、必要なプロダクトやサービスを生み出すために行わなければならない作業。
プロジェクトスコープマネジメントでは、計画された作業の基準値であるベースラインを決め、それと実績と比較することによって、プロジェクトが順調かどうかを判断する。
■プロジェクトスコープマネジメントのプロセス
プロジェクトスコープマネジメントに含まれるプロセスには、スコープマネジメント計画、要求事項収集、スコープ定義、WBS作成、スコープ妥当性確認、スコープコントロールがある。
■WBS
WBS(work breakdown structure)は、成果物を中心に、プロジェクトチームが実行する作業を階層的に要素分解したもの。WBSを使うと、プロジェクトのスコープ全体を系統立ててまとめて定義することができる。
WBSでは、上位のWBSレベルから下位のWBSレベルへと、より詳細な構成要素に分解する。
最も詳細に分解した最下位のWBSをワークパッケージという。ワークパッケージには、実際に行う作業であるアクティビティを割り当てる。
WBSは毎回一から作るのではなく、これまでのプロジェクトで作成されたWBSを参考にすることでより効率的にプロジェクトを運営できる。
過去のプロジェクト実績に基づき、典型的な作業の階層構造や作業項目をまとめた雛形をWBSテンプレートという。WBSテンプレートを作ることで、中長期的にスケジュール作成の効率と精度を高めることができるようになる。
■WBS辞書
WBS辞書は、WBS作成プロセスにおいて生成する文書でありWBSを補完する。各WBS要素に対応する作業の詳細な記述や、技術的な文書の詳細な記述を行う。