6-3-2 データ通信と制御
■パケット交換と回線交換
データを送るときに、大きなデータをそのまま送ると、ネットワークに負荷がかかる上、時間もかかる。そのため、コンピュータネットワーク上では、大きなデータをパケットと呼ばれる小さな単位に分割して送信するパケット交換という手法がよく用いられる。
■WANでの伝送方式
電子通信事業者は、全国にWANの回線を張り巡らせている。しかし、その回線は、特定の場所に設置されているアクセスポイントまで行かないと利用できません。そのため、会社のLANをその回線に接続するために、アクセスポイントまで別の回線を利用する必要がある。
そのときに利用する回線をアクセス回線という。
ネットワーク接続では、LAN内での接続、LAN-WAN接続、WAN内での接続など、様々な接続を行いながら通信を行なっていく。
■osi参照モデル
ユーザが作成したデータは、通信に使用するアプリケーションに送られる。それがアプリケーション層。その後、順にプレゼンテーション層とおくられ、最終的に物理層に到達し、電気信号として通信回線に流される。
第七層 アプリケーション層
通信に使うアプリケーション(サービス)そのもの
第六層 プレゼンテーション層
データの表現方法を変換する。例えば、画像ファイルをテキスト形式に変換したり、データを圧縮したりする。
第五層 セション層
通信するプログラム間で会話を行う。セションの開始や終了を管理したり、同期をとったりする。
第四層 トランスポート層
コンピュータ内でどの通信プログラム(サービス)と通信するのかを管理する。また、通信の信頼性を確保する。
第三層 ネットワーク層
ネットワーク上でデータが始点から終点まで配送されるように管理する。ルーティングを行い、データを転送する。
第二層 データリンク層
ネットワーク上でデータが隣の通信機器まで配送されるように管理する。通信機器間で信号の受け渡しを行う。
第一層 物理層
物理的な接続を管理する。電気信号の変換を行う
■LAN間接続装置
OSI参照モデルでは階層ごとに機能や役割が違うので、ネットワークに接続するときに必要となる装置も異なる。それぞれの階層で必要な機器は以下
①リピータ(第一層 物理層)
電気信号を増幅して整形する装置。リピータの機能で複数の回線に中継するリピータハブ(L1スイッチ)が一般的。すべてのパケットを中継するので、接続数が多くなってくるとパケットの衝突が発生し、ネットワークが遅くなる。
②ブリッジ(スイッチングハブ)(第二層データリンク層)
データリンク層の情報(Macアドレス)に基づき、通信を中継するかどうかを決める装置。ブリッジの機能で複数の回線に中継するレイヤ2(L2)スイッチがよく用いられる。リピーターに加えて、アドレス学習機能とフィルタリング機能を備えています
送信元のMacアドレスをアドレステーブルに学習し、宛先のMacアドレステーブルにある場合に、そのポートのみにデータを送信する。
③ルータ(第三層 ネットワーク層)
ネットワーク層の情報(IPアドレス)に基づき、通信の中継先を決める装置。ルーティングテーブルによって中継先を決める動作をルーティングという
スイッチングハブの機能にルーティングの機能を加えたレイヤ3(L3)スイッチもある。
④ゲートウェイ
トランスポート層以上でデータを中継する必要がある場合に用いる。pcの代理としてインターネットにパケットを中継するプロキシサーバや、電話の音声を、ディジタルデータに変換して送出するVoIPゲートウェイなどはゲートウェイの一種
■スイッチの機能
①VLAN(virtual lan:仮想LAN)
一つのスイッチに接続されているPCを、論理的に複数のネットワークに分ける仕組み。
②認証スイッチ
スイッチのポート一つ一つで認証を行い、アクセス制御を行うスイッチ。よく用いられる規格はIEEE 802.1x