7-3-2 要件定義

システムへの要求を洗い出して分析することを要求分析といいます。要求分析の結果を、まとめて明確にし、定義するのが要件定義。

■要求分析
要求分析は、要求事項を洗い出し、要求項目の分析、ユーザニーズ調査、前提条件の整理という手順で行う。このときに、利害関係者から提示されたユーザのニーズや要望を識別し、要求仕様書に整理する。

■要件定義
要件定義の目的は、システムや業務全体の枠組みやシステム化の範囲と機能を明らかにすること。
共通フレーム2013の要件定義プロセスでは、プロセスの開始の準備、利害関係者の識別、要件の識別、要件の評価、要件の合意、要件の記録の六つのアクティビティが定義されている。

①要件定義で明確化する内容
要件定義で明確化する内容には、大きく分けて機能要件と非機能要件がある。
機能要件は、業務要件を実現するために必要なシステムの機能。
非機能要件とは、機能として明確にされない要件
また、情報・データ要件や移行要件など、システムに関連する様々な要件についても定義する。

②要件定義の手法
要件定義の手法には、構造化分析手法やデータ中心分析手法、オブジェクト指向分析手法などある
プロセス仕様を明らかにしてDFDなどを記述するのが構造化分析手法。データ中心分析手法では、ER図を記述してデータの全体像を把握します。
オブジェクト指向分析手法ではUMLを利用する

③利害関係者への要件の確認
要件定義者は、定義された要件の実現可能性を十分に検討した上で、ステークホルダーに要件の合意と承認を得ます。

■非機能要件
システム要件のうち、機能要件以外の要件。
その要件に対する要求を非機能要求という。機能要求に比べて非機能要求は顧客の意識に上がってこないことが多いため、要求分析時に見落とされやすく、トラブルの原因になりがち。そのため、意識して非機能要求を洗い出す必要がある。
IPAで公開している非機能要求グレードには、以下の6つのカテゴリがある。

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