オシゴト日記 #1
病院から帰ってくると、叔母が訪ねてきていた。玄関口でなにやらよく分からない話をして、寒いしとりあえず部屋の中に入ってもらう。叔母はこげ茶色の、なんか苔みたいなフェルト生地みたいなコートを脱ぐと、つやつやの河童に変身してしまった。
「ふう、やっぱりこの姿が落ち着くわ!」
二頭身の、パステルカラーの河童、いやカッパとカタカナで書くべきね。そのかわいいクチバシから、叔母のものとは思えない軽やかで高い声が出てくる。小鳥のような声だった。
「ウチに咲いたランを持ってきたの。飾りなさい」