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「とある日」 秋っぽくなった並木沿いで ビル群はぼやけていきて いつもの帰路を歩きながら 蔦屋の前で赤信号に立ち止まっている 今日もなにもない1日 べつに期待しているものはないけど ただ寒くて 行き交う人の足が妙に大きく聞こえている ふとこれからアパートに帰ることを考えれば 今晩何を食べるか あとは寝るだけか、と考えながら この日常にもうちょっと 若さがあったらなと思う
「季節に込められた」 急に冷え込た10月 三軒茶屋で商店街を歩いているけど なぜかちょっと普段と違う 吐いた息が白くなるとか くすんだカーブミラーに霜が付いてるとか あっちの看板も 一年振りに見た ずっと昔のことを思い出して 気づけば急足になる
「中間管理職」 多忙を極めた週末 しとしとと降る雨音を耳にしながら ずっと部屋で寝転がって オフィスでのことを思い出している 「もういいから」って余計な一言 言っちゃった 言い訳、 忙しかったから 自分の野暮ったさに首を垂れつつ その数秒のあいだも 雨は降っている 忙しすぎる現代は誰かに負担をかけている。