後の人にゆずる
✳︎今日のひとこと
こんなに長い時間も、お金も、手間もいろんなものをかけて、子どもを育てて、たったひとつほんとうに学んだことは、「心からゆずることができる」ということだけなんです。
おいおい、本当かよ、それ以外に何か成長してないのか?と聞かれたら、とても情けないけどそうだとしか言いようがありません。
たとえば、滑り台の上に自分が座っているとします。変な例えだけれど。
さあ、今から滑るぞ!というときに、5歳くらいの子が来て、「おばちゃん、先に滑らせて」と言ったとする。
もちろん若いときの私もゆずってあげたでしょう。
でも、ちょっとだけ頭の中で考えると思うんです。ほんの数秒。
「やっぱチビとはりあったらまずいだろうな」とかね。
それが、全くためらいなく、体と心が同時に動いて、いいよって脇によけるようになった。
ただそれだけのことに、こんなに時間がかかるなんてどうなの?エゴが強すぎ?と思うのですが、すごい変化だと言えなくもないので、すごい変化だね、と自分で思ってあげることにします。
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どくだみちゃん と ふしばな
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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…