先どり
✳︎今日のひとこと
私が小説家になったとき、中上健次さん以外の大人の男、ほぼ全員に言われました。
ちなみに中上さんは、ばななはいいよ、飲み屋のママに好かれるし、実はばななが書いてるみたいなのが小説って言うんだ、と言ってくださった。一生忘れない。
後の方たちの意見をまとめてみると、女性向けの小説、少女まんが、こんな男はいない、なんだこのだらしない男は。この女らしくない女は。こんな浮いたような生活する人はいない、この世は金だ、働け、汗をかけ、サガンじゃないんだから、まじめに稼げ。
みたいな感じでした、ざっくり書きますと。
でも、なんだかわからないけどあれだけ売れたってことは、みなの潜在的な心の中にああいう部分があったということでしょう。
「吉本の小説は全国の女性のマイナー性を炸裂させたな」っていうのは当時の私の先生の名言ですけど、それだけではなくあの作品にはなにかしら、これからの時代の匂いがしたのではないかと思います。
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どくだみちゃん と ふしばな
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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…