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慢心

✳︎今日のひとこと

何回も書いていることのようなのですが、ちょっと角度が違い気づきも違いますので、よかったらおつきあいください。このリアルタイムでみなさまの目の前で少しずつ思考がアップグレードしていく学びの過程を見せるっていうのが、私にとってやはりメルマガの醍醐味なのです。

これまでにもお伝えしたように、いろんな人に若い頃「傲慢だ」と叩かれたものですが、私自身は全くもってぴんときていなくて、友だちにバカほどおごる以外は、ただただ地道でした。
そうでないようにふるまってはみても、物言いが生意気であっても、地味な毎日を送っていました。だって机に向かってないとできない仕事なんですよ、そりゃ地味ですよ、小説家はみんな。
それなのになんでそんなことを言う?と思ったけれど、全ては金の話だったのかもと気づいたのは相当後でした。金を持ってそうに見えたんでしょうね。
長い賃貸ライフに終止符を打って実家の近くに家を買ったら(その後また賃貸生活に戻ったんだけど)、そして実家の改装費を出したら、稼いだお金なんて一発で消えましたから、結局ずっと地道だったのです。生活の実験は大好きだし、お金をかけるところが人と違うけれど、ずっと自炊ですし。
その頃ヨーロッパで買ったヴィトンとかエルメスとかで、売りさばいてないものはなんと今も使ってますし。作ったメガネなんてレンズを変えてまだかけてる。靴も20年ものがいっぱいある。いくつか持っていたオメガの時計は、友だちのベイリーさんが社長を辞めたときに、最初にプレゼントしてもらったいちばん地味なモデルだけ残してみんな売っちゃったし。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…