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その人であることのプロ

✴︎今日のひとこと

友だちたちがパリに住んでいた頃、ジェーン・バーキンさんがほんとうに穴の開いた服やタンクトップで歩いているのを見たという話をひんぱんに聞きました。そしてあの有名なバッグを持っていたって。
そしてパリの粋なところというかある意味田舎くさいすてきなところは、そういう服装でもカフェの人たちは敬意を持って喜んで彼女を迎えたというところです。
バーキンさんだってそうでないところ(かっちりしたレストラン)に行くときはもちろんドレスアップしてらしたんでしょうけれど。
だから、サンジェルマン・デプレのあの有名なお蕎麦屋さんに、カトリーヌ・ドヌーブとジェーン・バーキンが全然違う感じの服装で同時に存在しうるっていうか。それを人々がただ受け入れる感じというか。ライフスタイルを尊敬される人生、それを受け入れる街ってすばらしいな、と思いました。
日本の「芸能人も多数来店」の店とちょっと違ってもう少し気楽かつ成熟している感じがします。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…