見出し画像

気づく(また服の話かい)

✳︎今日のひとこと

人類全体が、「もうこんなにたくさん服っていらなくね?」と気づいているんだなあ、と昨日『燃えるドレスを紡いで』の予告編を観てしみじみと思いました。上映時間が合わなくて本編はまだ観ていないのですが、どうにかして必ず観ようと思います。
コレクションが開催され、毎シーズン新しい服が出て、それを買える一部の人がいて、周回遅れで追いかけて似たものを販売する人たちがいて、そういう景気がよかった時代の終焉を、ファストファッション全盛の勢いが止められない感じからも思います。回転が速くなりすぎてもう誰もついていけなくなってしまったというか、単に高いと買えないというか。
たとえばコムデギャルソンの服はみんな日本の職人さんが作っていて、だからコストが高くなってそうそう買えないけれど、やっぱりここぞというときは買って応援する、そういう気持ちだけが残りました(そんなに金がないから気持ちだけだけど)。
あとはやっぱり知り合いの若い人たちが作ってるものを買っちゃいますね。
でも私がお金持ちだったら全部ギャルソンにするかなあ、と思うとそういうこともなくて、服と自由な表現の問題ってほんとうに難しい。
それでも今季の服でないけれどずっと買えるほぼ定番みたいなものも確実に作っているのがギャルソンのすばらしさで、やはり自分は服を買うときに、「考え方」を買っているのだな、と思います。

ここから先は

3,054字 / 4画像

吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…