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1日でいいから

✳︎今日のひとこと

感傷に意味はないと知っているのです。
しかも実は言うほど感傷的な時間に興味もないのです。今が面白いし、今いろいろしたいことがあるから。
でも、過去の幽霊はふいに襲ってきます。

後述のまんががあんまりおかしくておかしくて、ゲラゲラ笑ったあと、なぜか急に、育児をずっとしていた自由が丘の街のいつも眠くて仕方なかったからぼんやりしている風景が浮かんできて、涙が止まらなくなって。
子どもにはまだ好かれているんです、幸いに。
でも、あの頃みたいなむちゃくちゃな、シュールな、子どもの脳に添った行き当たりばったりの毎日はもう一生ないんだなと思いました。

だれでもが通る、普通のことだからね、とバリのヒーラーであり祭主のイダさんも言うのです。
私も長男が大人になって淋しいんだよ、って。
そう、人ってすごいなあ、そればっかり思います。
あれだけの時間をかけて手間をかけて、だれかといっしょにいるなんて。
そしてそれを手放すからこそ、人類は生き延びてきたんだなんて。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…