見出し画像

歯と耳

✳︎今日のひとこと

久しぶりに激しく歯の治療をしています。ここ10年くらい虫歯もなく過ごしてきたというのに!
大先生もそろそろ本格的に引退するだろうから(でも指導はしていてほしい)、共にくぐりぬける最後の大仕事…だといいけれど、歯を大切にしないと先生が現役のうちにまたおおごとになってしまうから、気をつけます…と思い、粛々と通っています。
40年前に治療した歯の根っこに炎症ができるというよくある治療なのですが、歯茎にぽつんとできたなにかを見ただけで「これはあれだ」と判断する先生もすごいし、
そのあとに、多分私が忙しくて「痛くないからまだいいです」と言うに決まっていると思ったのでしょう。先生は説得にかかってきました。
先生「一日座って仕事をしているあなたのような人はね、きっと食事の時間が楽しみだと思うの。食べものに制限があるのはつらいと思う。なにを食べていいとか、これはダメとか、それはきついだろうと。だから治療した方がいいんだけれど、少し時間がかかる治療だから、多分通えないと思うんだ」
私「いや、通います、すぐさま」
先生「それでね、今痛みもないのに、なんでそんな面倒な治療をするのかって思うと思うんだけれど、やっぱりね、痛くなったときにいろんなものを食べる楽しみがなくなる、それよりも、今しばらく不自由があっても、治す方向がいいと思うんだよ。少し先になってもいい、まとまった時間ができたら、考えてみてほしい」
私「いや、来週から、来ますけど」(来るって言ってんのに)
先生「これは時間がかかる治療で、1週間に1時間、口を開いてなくちゃいけない。それが1ヶ月続いて、その後にまたいろいろ決めなくちゃいけないことがある。だから、よく考えて」
私「今はコロナで出張がないので、基本大丈夫です。予約していきますね」
先生「しばらくは、こちら側の歯を使えないから、しばらくだけ、食べものにも制限がある。でも長い目で見たら、今痛くなくても、いつか必ず痛くなるから」
私(こんなにも何回もすぐ来るって言ってんのに〜)「大丈夫っス。つまりは加齢っスよね。こっちがわでフランスパンとかおかきとかいぶりがっことか食べなきゃいいんですよね?」(ここで受付にいる先生の奥様がゲラゲラ笑うのが聞こえてくる)

ここから先は

3,420字 / 4画像

吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…