キャラ変
✳︎今日のひとこと
これからももちろん小説を書いていきます。それしかできることがないし。
でも、「これを書かないと死んでも死にきれない」ということがなくなったのです。
これまでの私は「来週にも宇宙から謎の宇宙線が降ってきて、死者が生き返るようになるかもしれん。まだ書いてないものを早く書かねば」(ウィルス設定ではなくロメロ設定)という感じの人生を送ってきました。
でも、「この人生、この程度の水準まで書けたらいいかな」というところまで、なんとかこぎつけたので、たとえその水準が「えっ、この程度で?」というくらい低かったとしても、いいのです。基準は自分の中にしかないのだから。
19年ほど前、「子どもが生まれたらすぐさま人が変わってほっこり人間になってしまって、死とか失恋とか虐待とかどぎついことは一切書けなくなるかもしれん。早く書かねば」と思って、「デッドエンドの思い出」を必死で書きました。産む3週間前くらいまでゲラを見ていたような。
あれを読んで「元ネタなしでこれを書いてるとしたら天才です」と森博嗣先生がおっしゃったこと、嬉しかったから一生忘れません。元ネタないですし。あったらヤバいですし。
そのときに、「よし、50歳になるまえにここまで行きたいというところまではなんとか書いたから、10年は育児に専念できる」と思ったのと今は同じ感じです。
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どくだみちゃん と ふしばな
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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…