混沌の中で
✳︎今日のひとこと
いろいろな意味でものすごく差し障りがあるので、全く違う話に変えてありますが、ニュアンスは残しています。
あるとき、知人に呼び出されました。知人のレベルとしては、仕事のときにたまに会うくらいの歳下の女性。専門は語学で、明るくて人望がある感じ。お母さんは亡くなっているがお父さんと仲が良く、私もたまたまその人の実家のある県に寄ったとき、お父さんにお会いしています。
彼女は言いました。「変なふうに思うかもしれないけれど、私はとある偉い身分の人に会ったときに、あなたは仏陀の生まれ変わりだから、これからお仕えします、って言われたの」
私は、何言ってるの、と笑いました。でも彼女は真剣でした。
「そして、私もだんだん、そうかもしれないと思い始めているの。そういうことはあるのかもしれないって」
私は笑えなくなって、一刻も早く逃げ出したいと思いました。
彼女が放っている変な真面目さ、奇妙な光、磁場が狂うような感じがすごく怖かったです。
なによりその人格や人生とのギャップがあまりにも大きすぎて。もともとそういうことを言いそうな人ならまだいいんです。そうでないから、ぞっとしたんです。
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どくだみちゃん と ふしばな
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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…