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家庭料理は薬

✳︎今日のひとこと

このいろいろ平等な時代に、性差についてはなかなか大声で言いにくいことなのですが、料理って本来化学数学の世界で、しかもプロっていうのは同じ味を何回も作れなくてはいけないものなので、なんとなく男性向きのお仕事なのではないか?と思うのです。

道場六三郎さんがご自宅ではごはんをめったに作らないとおっしゃっていた番組を観たことがあります。
自宅では奥様のなんていうことない、ただ炒めたり煮たり焼いたりしたものが食べたいというシェフは多いみたいです。
うちの元秘書も、シェフであるご主人のことを「手のかかるすごくおいしいタンシチューを作ったんだけれどちっとも喜んでくれなくて、肉じゃがとかカレーとか喜ぶんですよ、その上ガリガリくんばっかり食べてて」と言っていたけれど、わかる気がするのです。
家庭料理とプロの料理って別物です。
私の姉のように家庭料理のプロというのもいて境目はすごくわかりにくいんだけれど、姉も文系ではなく理系なので、いつも正確に同じ味のものを作ります。調味料を測ったりはしていないんだけれど、火の通し方などいろいろなことが綿密なのでしょう。

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吉本ばななです。やがて書籍になるときにはカットされる記事も含めています。どくだみちゃんは散文、ふしばなはブログ風です。コメントはオフですが…