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毒親育ちが住民票閲覧制限チャレンジをしてみたときの話。

さて、ついにお待たせしました…!
住民票閲覧制限(通称「住民票ロック」)をしたときの話です。
と話す前に、どのようなことなのか説明をしたいと思います。
実は直系親族だと、住民票や本籍等の情報を取得することが可能です。
つまりは…、毒親から逃げるためには、「住民票の閲覧制限」(正式名称は「住民基本台帳事務における支援措置」)をかけることが最低限必要です。
故に住民票を移さない方もいますが、実は更に面倒くさいことになります。
実は…、住民票というのは、その場所に住んでないと認められてしまうと行政側が手続きをして、住民票自体が消えてしまうことがあります。(これを"職権消除"といいます。)
自分の場合は、給付金の申請にあたり事情を理解してもらったこともあり、住民票の"職権消除"は免れましたが…。
グループホームの方が言うには、「DV被害者だと、結構よくある話なんだよねー」とのこと。
住民票を回復するのにも手続きがかなり大変で、それを経験した施設の方に
「早めに動かしてね!」
と、言われました。
というわけで、まず、他の毒親サバイバーの方の話を調べてみました。
感想…。難易度高くね??
そう、自治体によっては「申請すらできない!」というのが、よくあるそうなんです(白目)
なので、自らを奮い立たせるべく「住民票閲覧制限チャレンジ」と銘打ちました。

ただ、ここからのお話は、あくまでも当方の場合。
つまりは、千葉県某市(中核市)での手続き例となります。
あくまでも、こういう一例があり、「参考」までと思ってくださると幸いです。

まず、避難先の自治体の住民票を扱う部署(以降、市民課)に話をしにいくことにしました。
そこで言われたのは
・まず、前住所の自治体から転出証明書を取ること。
・警察署の生活安全課、もしくは、DV支援の窓口(自分の場合は市の中にありましたが県単位になるところもあるそうです。)に行く。
(要は「相談実績をつくる」ことが必要とのこと。)
・それを持って、転入手続きと同時に行う。
と言われました。
市のDV支援の窓口は予約制で、家からは少し遠いこともあって、管轄の警察署の生活安全課に行くことにしました。
そして、警察署の窓口で
「住民課から支援措置の関係で、そちらの方に話をしてほしいと言われました」
と言うと、生活安全課の別室に通されて、若い女性の警察官の方が話を聞いて下さりました。
内容としては…。
・加害者の氏名(自分の場合は実親。)、生年月日、職業、続柄。
・加害内容
(この際、順序立てて言うと良いかもしれません。なので、事前にまとめておくといいと思います。)
・制限が必要な理由
(自分の場合は、「現状、避難をしており、医師からは治療の一環として続けてほしいこと。また、障害者手帳を取るに当たり、住民票の異動が必要不可欠である」と伝えました。)
そして、その調書(要は相談内容です。)が市に届く形になりますと言われました。
この際ですが、身分証の提示を求められますので、できれば公的な身分証(運転免許証など)を持っていったほうがいいと思います。
また、特に加害内容を詳細に聞かれます。
自分の場合は直近だと、母からの加害行為が主でしたが、父からも暴力等を振るわれたこと。
また、母は外国籍なので、戸籍を辿れるのが、父である可能性が高いという事情がありました。
そこからくる加害行為の共犯になる恐れがあるため、父に関しても申告しました。
(片方が無害なら、それでいいと思います。)
そして、トラウマに向き合うことになります。
自分自身もそうでしたが、調書をとってもらっている間は震えが止まらなくなりました。
なので、希望をすれば、同性の警察官に調書を取って貰うことも可能だと思います。
(自分は特に希望しませんでしたが…。)
また、帰る途中のバスで喘息の発作を起こしそうになり、慌てて吸入薬を吸ったくらいです。
(その後、数日はフラッシュバックを起こしてしまい、念の為に精神科からもらっていた頓服を服用しました…。)
なので、薬を持ってる方はお薬を。
お守りになるものがあれば、持っていくといいかもしれません。
余談ですが、私の場合は常に持っている推しのぬいぐるみに本当に助けられました…。(写真)

と、同時進行で前住所の自治体に「転出証明書」をもらうための手続きをしました。
なお、その際ですが、「転出した日」を「実際に離れた日」か「今のところに住み始めた日」にするかは、自治体によって見解が分かれます。
(自分のところは確認したら、「後者」でした。) 

そして、無事に手元に届いた転出証明書を持って、市民課に行ったところ…。
ハプニングが起きました。
なんと、警察からの調書が届いてなかったんです。
さらに担当者の方が不在で、イチから事情を話すことになりました…。
そして、やっと支援措置に必要な「申立書」を奥の奥から出してもらえました…。
その際ですが、いくつか書くべきところがあります。
まず、加害行為の当事者の続柄を書く必要があります。
自分のときは「主な人だけでいい」と言われたので、母と書きました。
そして、支援措置を申請する理由。
4つありますが、自分は「4.その他」に丸をつけました。
これは、手続き担当の方に「DVでもないし、児童虐待でもない」と指摘を受けたためです。
また、相談した日にち、相談場所を書く欄があります。
恥ずかしいことに、自分は相談した日を危うく失念するところでした…。
たまたま、市民課に行って話を聞く→精神科に行く→最寄りの警察署の生活安全課に行く。
というスケジュールを覚えていて、通院日=相談しに行った日となり、無事に書くことができました。(保険証は前の自治体の国保扱いだったので、使えてたんです…。)
これをちゃんと書けないと、警察への照会がうまく行かないそうです…。
また、閲覧制限にも種類があるので、自分の場合は、取り急ぎ
・台帳の閲覧制限
・住民票の写しの交付(現住所、前住所)
・戸籍の附票の写しの交付
にチェックをつけました。
そして、届出書を市民課に提出した時点で仮の住民票ロックが掛かります。
そして、自分の場合は2週間弱ほどで、現住所地の方から「制限を実施します」という旨の書類が届きました。
これで正式に住民票のロック(閲覧制限)が掛かりました。
また、数日後には、前住所地からも「除票の交付を制限します」という旨の書類が来ました。
おそらく、本籍がある自治体からも書類が届くと思います。(附票の写しの交付に関係するため。)

また、閲覧制限がかかったことで、いくつか留意点があります。
まず、期間は申請日から1年です。
なので、毒親が生きているであろう限りは、延長の手続きが都度必要です。
また、住民票を取るのにコンビニコピー機は使えない上に、自治体によっては特定の部署のみでしか発行できないという制限があります。
(自分は、保険証の変更手続きと、障害者手帳の書類を受け取るために行った本庁舎の住民課で住民票の請求の手続きができず。仕方がなく、日を改めて分庁舎の住民課に行って手続きをするということがありました。)
また、本人が申請に行き、公的な身分証明書をちゃんと提示して、初めて手続きが進められます。
なので、住民票などの請求手続きには、時間がかなりかかります…。
(自分はカバー付のマイナンバーカードと運転免許証を提示しています。時間としては、通常の2-3倍は見積もったほうがいいです。)

とりあえずは、無事に閲覧制限がかかりました…。
これで障害者手帳や、自立支援医療の手続きができるようになります…。
(実は自立支援医療の手続きは一切知らず、手帳の申請書類を受け取るために行った本庁舎の福祉課の人に言われて初めて知った。)
手続きは本当に大変ですが、気持ちが楽になったのも事実です。
どうしても、子供には親は選べません。
特に自分は幼い頃から適切な療育、治療を受けていれば、精神障害についてはここまで悪化しなかったと、担当医師から指摘を受けてます。
早めに逃げられれば、傷が浅く済むのは間違いないと思います。
実際に!今もトラウマを思い出し、吐きそうになったり、泣き出したりしまうこともあります。
(これでもまだマシになったほう。)
願わくは、毒親が一人でも減り、毒親に苦しむ人が無くなりますように。
拙い文章ですが、毒親サバイバーや、毒親育ちの方の助けになれば幸いです。