中高生女子向け、職場体験プログラム『Girls Meet STEM Career』に参加しよう! ーー JR東日本、ホンダ、LINEヤフー、理研など16の企業・機関がSTEM(理系)キャリア体験を提供
この夏休み、全国の中高生女子が参加できるSTEM(科学・技術・工学・数学)領域の職場体験プログラム「Girls Meet STEM Career」の参加募集が開始されている。山田進太郎D&I財団がJR東日本、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ホンダ、LINEヤフー、理化学研究所など16の企業・研究機関と連携して立ち上げたこのプログラムは、女子生徒がSTEM分野の仕事に触れ、キャリアへの興味を高めることを目的とするものだ。
STEM領域の女性活躍の現状と「理工系女性を求める」企業ニーズとのギャップ
今後の社会で著しい成長が見込まれる分野として注目されるSTEM領域では、人材育成が急務とされている。女性の活躍が大きく期待される分野であるが、実際にはその進出はまだ十分とは言えない現状がある。
山田進太郎D&I財団の発表資料によれば、日本のSTEM領域への女性の大学進学率は「OECD諸国の中で最低水準の19%」※1であり、エンジニアとして活躍する女性の比率も「OECD平均20.0%に対して日本は16.9%」※2と低く、人材育成が遅れていることが分かる。一方で、企業側のニーズを調査した経団連によるアンケート結果では「理工系女性を増やす」と回答した企業は6割を超えている。
また、同財団が中学生の女子272人を対象に実施した「STEM領域で働く女性との座談会」の結果では「STEM職種への関心」が約3倍に、「女性に向いている職種であるイメージ」が約9倍にそれぞれ増加するなど、中高生といった早い段階でのロールモデルとの出会いの重要性を示す結果となった。
こうした現状を背景に企画されたのが、Girls Meet STEM Careerである。16の企業・研究機関が参加するGirls Meet STEM Careerでは、企業のオフィスツアーや工場・研究所のツアー、ロールモデルの対象となる社会人女性との交流会などが予定されている。
※1: 令和5年度文部科学省「学校基本調査」より理学部・工学部を合算して算出(山田進太郎D&I財団調べ)
※2: IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査(ヒューマンリソシア、2024年3月発表)
オフィスツアーやエンジニアとの交流を体験できるプログラム
プログラム発表のあった7月11日には、さっそく昭和女子大学附属中学校・高等学校の女子生徒19人がLINEヤフー社のオフィスツアーに参加し、女性ITエンジニアとの質疑応答が行われた。その様子を写真で紹介しておこう。
eコマース、交通、食品・飲料、製造、人材など、多様な業界企業がツアーを提供
理系分野の研究職やエンジニアリング、技術開発などがイメージされるSTEM領域のキャリアであるが、実際には職種や業界の幅は非常に広い。例えば、データサイエンス、バイオテクノロジー、エネルギー、環境科学、情報技術といった専門分野に加え、教育やビジネスアナリストなど、その可能性は多岐にわたっている。今回のプログラムにも、IT企業に限らず、さまざま企業が参加している。
プログラム内容および参加企業・機関は、以下の通りである。
「Girls Meet STEM」オフィスツアー(2024年夏)概要
プログラム一覧:7月31日現在
各企業のプログラムには、下記「Girls Meet STEM」のウェブページから申し込みが可能である。
文・写真:遠竹智寿子
フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ 研究員
編集:タテグミ
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