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出版社が公式運営するオンデマンドプリントTシャツモール「pTa.shop」――在庫レス、返品レス、廃棄レスのサステナブル運営も

本稿では、出版社が各屋号をもって公式に出店する、ユニークなオンデマンドプリントTシャツモール「pTa.shop(ピーティーエー・ショップ)」を紹介する。

pTa.shopは、2022年6月にオープンしたインプレスグループのIPGネットワークが運営するショップサイトだ。「pTa」は、Publishers’ T-Shirts Arcade(パブリッシャーズ・Tシャツ・アーケード)の頭文字からきている。その名のとおり出店者はすべて出版社で、それぞれが保有する書籍や雑誌など“出版物”のコンテンツを用いた商品ラインアップが特徴となっている。

「出版社だからこそできる、1点1点が面白い、唯一無二のTシャツモール」として展開

オンデマンドプリントで実現したサステナブルなショップ運営

本モールでは、注文を得てから1枚ごとにプリントを行い、購入者に直接発送を行う。また、購入者はボディカラーやサイズを自由に選ぶことができる。そのため、在庫・返品のリスクや商品廃棄の心配も起こりにくい。オンデマンドプリントの活用によって、「在庫レス」「返品レス」「廃棄レス」という3つのレスを伴ったサステナブルなショップ運営へとつながっているわけだ。

現在16の出版社が参加し、雑誌をはじめ、小説、文学、SF、絵本、コミック、音楽、鉄道、飛行機、コンピューター、アウトドア、デザイン、歴史と、多岐にわたる書籍ジャンルを展開している。商品検索は、出版社別にも、書籍ジャンルからもかけることができるのが便利だ。ひねりを加えたニッチなものや、ニヤリとしてしまうようなマニアックなものなど、アレコレと見ているだけでも面白い。

pTa.shop サイト上部のタブから「出版社から探す」「書籍ジャンルから探す」などが選べる

例えば早川書房では、雑誌『SFマガジン』の現行ロゴと創刊時のロゴの2つのバージョンをそれぞれプリントしたものや、小説『一九八四年』(ジョージ・オーウェル著)に登場する、超監視社会の象徴「ビッグ・ブラザー」のモチーフをデザインし出品している。リットミュージックは、休刊となったDJ/クラブ専門誌『GROOVE』の創刊号から各年代のロゴをそろえて展開したり、『ギター・マガジン』の40周年記念のTシャツを出品したりといった具合だ。

百聞は一見にしかず。思い入れのある雑誌や小説などがある方も、クリエーティブなモノや面白いモノが好きという方も、ぜひ「pTa.shop」を訪れ、コンテンツのプロたちによる力作を楽しんでいただけたらと思う。

文:遠竹智寿子
フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ 研究員

トップ画像:iPhotostock.com/Rorygez Fresh
編集:タテグミ

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