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イベントのオンライン参加で減らせるCO2を見える化する「グリーンメーター」

コロナ禍で一気に広がった会議や授業のオンライン化。実際に対面できないことによる弊害もありはするが、移動のために使われるエネルギーや排出されるCO2が削減されたことは間違いない。ブイキューブの「グリーンメーター」は、イベントのオンライン化でどれだけCO2が削減されるかを見える化する。

削減できるCO2量を樹木の本数に換算

ブイキューブは2022年4月20日、イベントのオンライン開催によって参加者の移動が無くなることで削減されるCO2量を見える化する「グリーンメーター」の提供を始めた。同社が提供するオンライン・イベント・プラットフォーム「EventIn」の利用企業は無償で利用できる。

グリーンメーターは、イベントを開催する際、実際に会場に集まって参加する場合に比べて、オンラインで参加する場合では、どれだけ移動に伴うCO2排出が削減されるかのシミュレーションを行う。

オンラインでの参加者がアクセスした地域をIPアドレスから推定し、そこからイベント会場まで交通機関を使って移動した場合のCO2排出量を算出。それを「オンライン参加による削減」として、杉の木の本数で表現する。杉の木1本当たり、年間約14kgのCO2を吸収するという前提で、「何本分を植えたことと同じ削減効果があったのか」という環境保全効果を実感できる。

「グリーンメーター」の結果画面
(出所:ブイキューブ)

「移動」について意識するきかっけに

オンライン参加者のいる地域の特定はおおよそで、利用したかもしれない交通手段も詳細に判別しないため、あくまでも「ざっくりとした結果」でしかない。ただ、オンライン化で生じるポジティブな影響を知ることは、利用者にとって決して悪い気はしないはずだ。

むしろ「自分がオンライン参加したことで、世の中に少しだけ貢献できたかもしれない」と、気分が良くなるのではないだろうか。

「歩けない距離ではないので、タクシーを使うのはやめよう」
「車ではなく、自転車で行こう」

利用者が日常的にそんなことを意識するきっかけになるなら、単なるCO2削減以上の効果があると言えるだろう。

ブイキューブにとって、EventInをはじめするオンラインイベント支援は主力事業だ。イベントのオンライン化が広がることは同社にとって追い風であり、グリーンメーターでオンライン化のモチベーションを高めることはプロモーション活動の一環でもある。

ただし、製品そのものの利点だけでなく、同社がこれまで取り組んできた事業の価値やその製品を利用することの社会的な意義を分かりやすく伝えることにもつながっている。

SDGsやESGの観点から、各社さまざまな取り組みをしているが、その価値を利用者に分かりやすく伝え、自社ビジネスの意義も高め、さらに利用者に環境への貢献を実感してもらえるという点で、グリーンメーターは優れたサービスと言える。


文:仲里 淳
インプレス・サステナブルラボ 研究員。フリーランスのライター/編集者として『インターネット白書』『SDGs白書』にも参加。

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