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統計検定2級一発合格!~現役データサイエンティストが教える勉強法~
はじめに
こんにちは。株式会社D4cプレミアムでデータサイエンティストをしている、入社2年目社員のSです。
私は「統計検定2級」を受験し、一発合格しました。統計検定2級は統計学の基礎を学ぶにはとても良い内容だと感じます。実際の業務でも2級の知識があればだいたいの解析手法は理解できます。ぜひ多くの方に受験していただき、統計学の基礎を学んでほしいです。
この記事のターゲット
・データサイエンティスト志望で統計学の基礎を学び活躍したい方
・現役データサイエンティストでさらなるスキルアップを目指す方
・統計検定2級に掛かる大まかな学習時間、必要な教材、試験会場を知りたい方
執筆者について
バックグラウンド・学習開始時のレベル
2023年4月に教育業界から転職してきました。
学生時代は理学部の数学科で統計の講義を受講していましたが、かなり昔の話ですのでほぼ忘れていました。ですが、ここ数年は学部1、2年生レベルの微分積分や線形代数、確率などを趣味で学習していました。
具体的には、チャート式シリーズの大学教養微分積分・大学教養線形代数や弱点克服大学生の確率・統計などのテキストをメインに問題を解き、学習していました。また、たまに高校生に数学を教える機会があり、高校1、2年生レベルの内容は頻繁に思い出すことができていました。
受験のモチベーション
受験を決めた理由は以下2点です。
1点目は、スキルアップをしてデータサイエンティストとして幅広い案件に対応できるようになりたいと考えたためです。2点目は、将来的には統計検定準1級など上位の資格を取得することを見据えており、段階的にレベルを上げていくことで無理なく挑戦できるようにしたいと考えたためです。実際、統計検定2級の学習は基礎的な統計手法を学び直しながら過去に学んだ数学的知識も思い出す良い機会になりました。
試験会場について
統計検定2級の試験の会場についてですが、私は東京都在住ですので北千住テストセンターで受験しました。(こちらの会場は少し駅から遠いですが、他の試験でも利用していた場所でもあり安心感があったためこの場所にしました。)受験することができる施設は東京都内にたくさんありますが私は試験前に、会場付近の喫茶店やファストフード店にあまり混んでいない時間帯に行って、最後の確認をするのが好きなので、そういった意味でもこの会場は安心して選ぶことができました。
CBT形式の試験で特に受験日が指定されているわけでもないので、早めに希望の日程・会場の予約をすることをおすすめします。また、慣れていない場所だと迷うと怖いので幅広い試験を実施している会場を選んでおくと、他の試験でも同じ会場を利用でき安心して試験に取り組むことができます。
統計検定2級を受験してみた感想
受験した感想として、網羅的に統計手法を学ぶことができ、これから統計を勉強していく方にもおすすめの内容だと思います。
データの記述と要約、確率と確率分布、統計的推定、統計的仮説検定、線形モデル分析、その他分析法などの内容からまんべんなく出題されており、序盤の設問ではシンプルな確率の問題も出題されたので、高校で学ぶレベルの確率の内容も勉強しておくと良いと感じました。
CBT試験のため選択式ですが、正確な計算が必要な問題が多く、参考書を使って計算練習をしておく必要があります。私も実際の試験では計算に時間を使いすぎて後半時間が足りなくなりました。参考書のみだと問題数も少ないので、追加で基礎的な統計を学べるテキストを用意して練習することもよいと思います。
統計検定2級のおすすめ学習方法
1、学習期間・時間
私は余裕をもって約3か月の学習計画を立て平日は1時間から2時間、休日は3時間ほど学習していました。データの記述と要約、確率と確率分布、統計的推定、統計的仮説検定、線形モデル分析、その他分析法など大きく6つの章に分かれているため、各章半月程のペースで仕上げていくイメージです。実際は章によってかなり学習時間にばらつきが発生し、特に統計的推定の章と統計的仮説検定の章は慣れが必要だと感じたため、多めに学習しました。最後に過去問で理解度チェックを行い、不足していると感じた部分をさらに復習しました。
2、学習環境について
私は主に図書館に通って勉強しました。資格の勉強に限りませんが、自宅で行うよりも圧倒的に集中できます。ただし、図書館には自分の使っているテキスト以外にも膨大な量の統計に関する書籍があり、他の本に目移りして脱線してしまうことがしばしばありました。資格試験はまず自分の信じた教材をやりこむことが大切だと思っていますので、そういった誘惑を振り切る必要があります。
3、参考書やwebサイトについて
「改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計基礎」
こちらのテキストをメインに学習を進めました。内容はまさしく教科書といった感じで、出題範囲がまんべんなく網羅されており安心できます。
ただ、問題数が少なく各章の章末問題が数問しかないため、問題を解く練習は他のテキストを利用するのがおすすめです。
「統計検定2級公式問題集」
こちらは過去問集です。実践練習として取り組みました。難易度はそれほど高くないため、上述した公式のテキストを理解していれば難なくできる内容でした。私が受験した統計検定2級のテストと同程度の難易度だったと感じました。
過去問題集については1,2度の周回に留めそれ以上の周回は行っていません。最初にどのような内容が出題されるのか雰囲気をつかむために1周目を通し、2周目では、テキストの内容を学習した後しっかり解いてみるような使い方をしました。
統計検定2級に関しては、過去問題を何年分もたくさんやる必要はないと思います。理由としては、出題内容が基本的なレベルであり、出題される内容も絞られているためテキストの内容を理解すれば、何をどう答えれば良いか分かると感じたためです。
しかし、逆にいえば出題の形式などがぶれにくい分、過去問の解き方を過去問の解き方に慣れ親しんでおけば試験自体はパスできる可能性が高いとも言えますので、試験時間内に問題を解き切ることができるか不安を感じる方はぜひ過去問をたくさんやっておくことをお勧めします。
「とけたろうブログ」
こちらは、統計検定や数学についてまとめている方のサイトです。統計検定についての知識もまとめてあるので、試験前の復習に使えます。
電車で移動中にテキストを開くことができないときや、ちょっとした隙間時間で勉強ができるため私も活用させてもらっていました。
4、さらに学習効果を高めるには
ちょうど同タイミングで統計検定2級を受験する方がいたため、その方にテキストを見ずに説明できるようになるまで読み込み、実際に説明する機会を設けていました。誰かに説明しながら勉強するのは本当におすすめです。
自分の理解が不足している部分については、上手く説明できないためさらに学ぶべき内容だと分かります。また、すでに理解できている部分については相手に上手く伝える工夫をすることで、自分自身の理解もさらに深まります。
もし、そのような相手がいなかったとしても、アウトプットを前提とした学習は行うことができます。例えば、私も実際にやっていましたが、各章毎に学んだ内容を誰かに伝えるようにつぶやきながらノートにまとめることです。この時、自分で自分に質問を投げかけ、それに答えていきます。この方法を実践すると教材の読み方も良くなります。インプットする際にどのようにアウトプットしようか考えるようになり、ただ眺めながら読むよりも明らかに記憶の定着が良いことを実感しました。
また、可能であれば公式を暗記して終わりにせず、理解して導き出せるようにしておくと精神的にも安心できるので、導出まで理解できるようにしておくと良いと思います。
まとめ
今回は統計検定2級の受験について紹介しました。
統計的なものの考え方や各種統計的手法はチームで分析を進める上で、共通の言語となっていると感じます。分析の仕事に直接関わっていなくとも、今後自分のスキルの幅を広げるために勉強してみる価値はあると思います。
私は統計検定準1級を見据えての受験だったため、公式の証明やなぜその主張が成り立つのかなど、調べながら学習していました。統計検定2級に合格するためだけなら公式暗記でも乗り切れるかもしれませんが、今後のさらなるレベルアップのために数学的な背景まで学習しておくと良いと思います。
統計検定2級の学習に限らず、資格試験に向けた学習ではアウトプットを前提としたインプットが非常に有効だと感じます。
皆さんもぜひ、ご自身のスキルアップのためにも様々な資格試験に挑戦してみてください。
(書き手:S)
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