これはある比例単独候補の立候補に至る経緯から選挙期間中の動きと学んだことを記した備忘録である。 1日目:幸運の女神には前髪しかない月曜日、夕方。いつもどおり仕事でPCに向かっていたところ、Apple Watchにメッセージの通知が届く。政治関係業界に身を置くフィクサー志望の後輩から。手元にあったスマホで開くと、そこには自民党が比例名簿に載せる候補を探している旨の話があり、応募するなら急ぎであると書かれていた。非公認・比例重複立候補不可の決定に伴い、急遽候補を発掘する必要が生
前回に続いて自民党総裁選候補者の外交安全保障政策を見ていく。はじめに、DIME一気にやったら長文になってしまったのを反省。前編後編に加えて中編をやればよかった。 本題の前に私見を予め示しておくと、現在決選投票に残ると見られる石破茂、高市早苗、小泉進次郎のうち、「総理は無理だなー」と外交面で思ったのは小泉進次郎。政権運営、政策遂行をチームで進めると彼は言っているが、外交の場においては首脳同士、通訳のみのテタテと呼ばれる会談がある。同盟国友好国との首脳同士の会話では致命的なこと
トップ選びはマジで大事である2024 かつて、「首相(総理)なんて誰がやっても一緒でしょう」というような声が出たこともあったけれど、それが真ではなく、トップ選びを誤れば国家そのものが道を誤るということを、ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルのガザ地上作戦など、現代の色々な事例が教えてくれる。 絶賛大統領選挙中の合衆国を見ても、トランプがなるか、ハリスがなるかで向こう4年やそれ以降の景色がまったく違うものになる。日本にとっても他人事ではなくて、仮にトランプが返り咲いた場合は同
私たちからすると、ロシアのウクライナ侵攻が始まって2週間が経過したとなるが、ウクライナに言わせれば、これは2014年から続く戦いである。そのとおりだな、と思うと同時に、裏を返せばロシア側も8年にわたって介入を継続していることになる。そこで思い出したのがForeign Affairsの、ロシアの政策決定において軍が影響力を増している、昔と違ってFSBではなく、という論文だった。 これをプーチンの戦争と呼ぶならば、実際に彼がほとんど1人で意思決定したのだからこの呼称が正確だろう
きっとこんな幕僚がいたに違いない。 「大軍をもってウクライナ領土の奥深くへと侵攻する。それだけで西側の心胆を寒からしめることができましょう」 「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処することになろうかと思います」 「攻勢ではありません! 大攻勢です!」 「ベラルーシを橋頭保とし、ここからウクライナ領の奥深くへと侵攻する! さすればウクライナ軍は狼狽し、成す所を知らないでしょう!」 「ロシア軍の空前の大戦車部隊が長蛇の列をなし、打倒ファシスト正義の旗を掲げて進むとこ
プーチンの戦争、ウクライナ侵攻が根拠なき楽観、間違った前提(相手の過小評価、自軍の過大評価)、様々な要因があって政治的な勝利を掴めないであろうこと、ウクライナの全土占領はおろか半分も支配下に置けないであろうことを、欧米の軍事専門家が指摘している。 プーチンの下でロシアはチェチェン紛争、南オセチア・アブハジアでの対ジョージア戦争、2014年のクリミア併合と東部における介入、シリアのアサド政権を支援しての軍事作戦と「実績」を積んできた。しかし、今回のような全面戦争(full-s
Farida Rustamodaはロシアの独立系ジャーナリストで、これは3月1日にロシア政府や議会の関係者、財界人への取材を基に彼女が書いた記事(原文はロシア語、Ilya Lozovsky氏が英訳したものをさらに和訳)。内幕としては非常にビビッドで、読み応えがあったので拙いながら急ぎで訳してみる。 突然に、最高機密の特殊作戦を実施するのはウラジーミル・プーチン大統領の主なパターン。元チェキスト(秘密警察、スパイ)として、彼は皆を恐れせさせ彼は望むことをなんでもできると思わせ
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 2022年2月24日現地時間早朝に、ウクライナとの国境沿い、隣国ベラルーシ、そして2014年に併合したクリミアからロシア軍が侵攻を開始して早10日が経過。ウクライナ軍とウクライナ国民の苛烈な抵抗により、首都キーウ(キエフ)、第二の都市ハルキ