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スマホでPC98ゲーム

探していても気が付けないことはある

 以前から手元にある(太古の)NECのPC98のゲーム類を、ポータブルゲーム機で動かしたいと思っていました。(今まではWindowsマシンで、T98-NextやNeko ProjectⅡx64(以下、np2kai)のエミュレータ上で動かしていました※1)

 以前、NP2 for PSPを試したこともあるのですが、PSPのプロテクトが厳しくて挫折しています。もう気が失せていたのですが、最近、RetroArchでNeko ProjectⅡを使えば、PC98アプリ(ゲームを含む)を動かせることを知りました。

 RetroArchは比較的有名なソフトのようですが、大手ゲームメーカーの旧ゲームソフトに関連する記事がほとんどで、PC98関連の記事は見逃してしまっていたようです。

この記事の前提条件

 この記事は、WindowsマシンでNeko ProjectⅡ上でソフトが動作していることを前提に書いています。実機(PC-9801)からNeko ProjectⅡを介した、アプリの実行までの手順については他の記事を参考にしてください。

RetroArchとコアをちょっと解説

RetroArchは、エミュレータのダウンローダー兼ランチャーみたいなものです。

[ハードウェア]-[OS]-[RetroArch]-[コア(=エミュレータ]-[ゲームソフト等]
のような立ち位置になります。本来の…
[PC98マシン]-[MS-DOS]-[PC98ソフト]
という構成からすると、結構複雑です。
※1の構成は、[PC]-[WindowsOS]-[np2kai]-[PC98ソフト]です。

RetroArchには各OSごとのものがあり、例えば…

  • [PC]-[WindowsOS]-[RetroArch]-[np2kai]-[PC98ソフト]

  • [スマホ]-[AndroidOS]-[RetroArch]-[np2kai]-[PC98ソフト]

みたいなことができます。つまり、RetroArchが実行できる環境ならば、すべてPC98ゲームが動かせることになります。

AndroidスマホでPC98ゲームを動かす

 まずは、手持ちのAndroidスマホにRetroArchをインストールします。Google Playストアには見つからなかったので、RetroArch公式サイトからダウンロードしてインストールしました。

 次にコア(Neko ProjectⅡ改)をダウンロードします。コアを実行するにはコンテンツ(=PC98のハードディスク等のストレージイメージ)が必要です※2。これはWindowsで動作させていた、.nhdファイルをスマホにコピーしました。コピー先は特に指定がありませんが、コンテンツのロードメニューからたどりやすいフォルダならどこでもいいようです。

これでコンテンツをロードすると、おなじみのメモリカウントで開始され、MS-DOSが起動し、あとはAUTOEXEC.BATの内容しだいです。

※2コンテンツが無くてもマシン起動はできますが、DOSがないので何も起こりません。

トラブル1:英数数字以外が表示されない

 表示されるメッセージの英数字以外が空白でした。しらべてみると、フォントファイルがないのが原因っぽい。Windows機にインストールしてあるNeko Projectフォルダの中のfont.tmpを、RetroArch/system/np2kai/font.bmp(.bmpに拡張子を変更する)にコピーしたら表示されるようになりました。

トラブル2:表示パッドで操作できない

 画面にはジョイパッドが表示されており、これで操作できると思ったのですが反応しません。ごちゃごちゃやっているうちに、下記でできることがわかりました。

1.コアオプション
コアを選択された状態で、「コアオプション」をタップし、項目の下のほうにある…

  • Use mouse or touchpanel to input mouse
    "On"を選択します

  • Joypad D-pad to Mouse/Keyboard/Joypad Mapping
    "Manual Keyboard"を選択します。

コアが選択されている状態で
マウスとキーボードを設定

キーマップは下記のような感じです。

  • 十字キー=カーソルキー

  • スタートボタン=Enterキー

  • セレクトボタン=Escキー

赤や緑で囲ったキーが有効なボタン スマホ画面回転が有効なら横表示ができる

この設定でも、なぜか十字キーの上ボタンだけ効かない場合があります。その場合は、下記を試してください。これは後からOffにしても効いたままなので、挙動がよくわかりません。

2.設定(画面下の歯車)の「入力」を変更
”このコアでコントロールをリマップ”をOnにします。

この設定はOffでも問題ないはずだが…

その他のわかったこと

  • 前記のManual KeybordをMouseにすると十字キーでマウスカーソルが動かせます。ただカーソルキーが使えなくなるのであまり意味がない。

  • 前記の"入力"設定でキーマップのカスタマイズができる感じですが、うまく反映されるのかは未確認です。

  • 数字キーの入力が必要なゲームは、画面ジョイパッドでは入力できませんので、キーボードを繋ぐ必要があります。

  • 全部(10本以上)きちんと試したわけではありませんが、上記の数字キーでひっかかるゲーム以外は、きちんと動作し操作可能でした。

  • np2kaiの実行には、いくつかのromファイルが必要と公式サイトにはありますが無くても使えました(コアによって違うのかもしれません)。T98-Nextにはいくつかromファイルがありますが、これらは必要ないみたいです。

ポータブルゲーム機はしばらく様子見

 最初、ポータブルゲーム機を買うつもりでしたが、スマホでもそれなりに遊べたので様子見にしました。もともと自分がゲームに熱心ではないので、たぶん買ってもほとんど使わないと思ったからです。

 じゃ、なんで今更スマホで98ゲーム?と思われた方もあるかもしれません。これは単なる私のノスタルジーです。不思議なことに、98ゲームを(特に音楽)していると、当時(1992年)の気分がよみがえるのです。

あとがき

 すこし前に「16bitセンセーション」なるアニメが放映されていました。視聴はリタイヤしてしまいましたが、当時の雰囲気には共感できました。当時のパソコンブームは、今の『AIブーム』と類似しています。

 私にとって、よみがえる当時の気分は明るいものです。現代のゲーマーは、遠い将来、レトロゲーム(=現在のゲーム)をプレーしたとき、どんな気分がよみがえるのでしょうか?。気になるところです。

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