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先日、親知らずを抜歯した。
おかしな角度に生えており、かかりつけ医ではなく医療センターの口腔外科へ行った。
手術着に着替え、手術室の寝台に横たわる。
アップテンポな女性のボーカル曲が流れている。
先生の好みなのか？
麻酔がよく効いたのか、音や振動はなかなかなのに痛みもなく終わった。
わりと、あっけなく。
バスで帰宅した後、ようやく痛みを感じ始め、あわてて痛み止めを服んだ。
前もって言われていた通り、腫れてきた。

翌日はもっと腫れた。
おかしくて、写真を撮って友達に送った。
痛み止めを途切れずに服み、家にあるものを食べて過ごした。

翌々日はもっともっと腫れた。
続報と称し、また写真を友達に送った。
痛み止めを服み続けた。
家から出られなかった。

鏡を見て、ふくれた顔がおかしいのだけれど、初めの違和感が薄れていることに気がつく。

わたしの顔のかたち。

3日目、仕事に行くつもりでいたが休んだ。
夜は寝られなかった。
朝になると痛み出し、また痛み止めを服む。
家の食べるものがなくなった。

お米屋さんの弁当を買い、小さな湖へ行った。
ベンチに腰掛け、弁当を食べる。
おかずがうれしい。
けれども、口が開かない。
正確には、いつものように大きく口を開けてほおばることができない。
うわー。
膨れた頬の、おちょぼ口で、弁当を食べた。

ふと、小鳥のようにごはんを食べる青年がいたことを思い出した。