ケヴィン・スペイシー
彼の名を聞いて多くの人が、
「ハウス・オブ・カード」を
思い浮かべるだろうか。
僕にとってケヴィン・スペイシーは、
「アメリカン・ビューティー」だった。
1999年、サム・メンデス監督。
アカデミー賞8部門にノミネートし、
作品賞、監督賞、脚本賞、
主演男優賞含む5部門受賞。
主要5部門のうち4部門以上の受賞作は、
歴代7作品しかないうちのひとつである。
先にも書いた95年「ユージュアル・サスペクツ」で、
いきなり助演男優賞を受賞、同年のヒット作、
「セブン」「アウトブレイク」に出演。
97年「L.A.コンフィデンシャル」主演。
それまでサスペンスが多かったが、
「アメリカン・ビューティー」で、
冴えないオジさんを見事に演じた。
主演男優賞まで獲得する。
まあ見事な演技だった。
少なくとも僕にとっては。
いつも思うけど、ハリウッドは、
何気ない日常に潜む社会の闇を、
本当に巧く描くと思う。
ジャーナリズムにできない、突破をしてみせる。
共感を呼ぶストーリーと、ユーモアを忘れない。
ハリウッドも国威高揚の時代があった。
でも今はダイバーシティ&インクルージョンだ。
だからこその告発、スキャンダルだろうが、
一昨年公開の映画「スキャンダル」の世界は、
アメリカにとって日常なのだとも思う。
なんて遅れたアメリカの実態に驚き、
そしてそれを告発できる実態にまた驚く。
アメリカ、恐るべし。
日本はもっと遅れているのだ。
ケヴィン・スペイシーにとって、
「ハウス・オブ・カード」が
Netflixだったのは不運だったか。
FOXだったらどうだったのだろう。