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『大フーガ』

サントリーホール、ブルーローズ毎年恒例、チェンバーミュージック・ガーデンのベートーヴェン弦楽四重奏サイクル。2年前から毎年聴きに行って今年で3回目は、第13番大フーガ付きを選んだ。
2年前に聴いた『ラズモフスキー第1番』から始まった僕の室内楽の旅は、室内楽管弦楽団への入団を経て、ようやく初めてベートーヴェン交響曲第7番を演奏したところだ。わずか2年ではまだまだ駆け出しの下っ端で、まともな音さえ出せていない。今こそ基礎からまた音を出したいと思い、スケールやエチュードに取り組んでいる。
今年のベートーヴェン・サイクルを披露するのは、ウェールズ弦楽四重奏団。日本人男性4人、だと思う。意外だった。この演目のせいか、平日のせいかわからないが、空席が目立つ。無意識にチェロの音を聴こうとするせいか、音のバランスがいまひとつだと感じた。1stヴァイオリンの態度は、終始残念だった。それでも50分以上の大作を、集中して楽しんで演奏している気持ちが伝わってくる。これが室内楽の、ブルーローズの醍醐味だ。
来年はここに、どんな自分がいるだろうか。

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