ピアノ協奏曲第20番
といえば、僕にとってはモーツァルト。
今日は9.11から、ちょうど20年だ。
映画「アマデウス」のエンディングで、
第2楽章の美しい旋律を知ったのは、
30年以上前、母親と行った映画館だった。
僕の大好きなベートーヴェンとは、
対照的に生きたモーツァルトの、
ピアノ協奏曲で初めての短調である。
ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466
ベートーヴェンとの関係は稀薄だが、
この作品を気に入って研究したと言われ、
彼のカデンツァも残っている。
モーツァルトは、芸術家というより、
エンターテイナーだったと、僕は思う。
ピアノを軽妙に弾き、即興も上手い。
交響曲やオペラを次々と発表し、
ウィーンの聴衆を魅了した。
聴衆が求める心躍る音楽を、
湧き出る和泉のように作曲した。
彼自身は、悩んでいたのだろうか。
自分が本当に創りたい音楽を模索した。
その端緒がこの作品だったのでは。
1785年初演。転調もあり、好評だった。
彼は創作の魔力に憑かれ、
精神性の深い作品を次々と書いて、
ウィーンの聴衆は離れていった。
貧困と病に喘ぎながら、6年後の35歳で亡くなる。
つまりこれを作ったのは、29歳だったわけだ。
神童と言われたのも、無理はない。
レクイエムニ短調K.626
最後の曲も、ニ短調だった。
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