ファントム・メナス
忘れてはいけない、1999年。
「スター・ウォーズ」エピソード1、
ファントム・メナスの公開だ。
エピソード6から16年ぶりも凄いが、
ジョージ・ルーカスの監督復帰は、
エピソード4から22年ぶりである。
監督、脚本、製作総指揮を、
すべてやった初めての作品だ。
新3部作すべてそれで通した。
ジョージ・ルーカスの、
「スター・ウォーズ」への深い愛。
精根尽き果てたに違いない。
旧3部作は僕が10代の頃、
映画への好奇心の扉を開けた。
もう残りの6作品は、
作られないだろうと諦めていた。
20世紀の終わりは僕にとって、
20代の終わりを意味していた。
幸運にも仕事で、プレミア試写会に行った。
東京国際フォーラムの大きなホールだった。
スクリーンは遠く、小さく感じた。
暗転し、20世紀フォックスのファンファーレ。
涙が溢れて、スクリーンが滲んだ。
遠い昔、はるか彼方の銀河系で。
A long time ago in a galaxy far, far away...
涙が止まらなかった。
話なんかどうでもよかった。
あの「スター・ウォーズ」の新作が無事公開され、
あと2作の公開が控えている。
しかも最新のデジタル技術を駆使した、
ILM含めたルーカス・フィルム渾身の作品。
さらにこの新3部作が成功すれば、
最後の3作の実現も夢じゃなくなる。
1999年、21世紀に向けた、
新たなる希望が始まった。
実は、見えざる脅威だった、というわけだ。