Don't Let The Sun Go Down On Me
エルトン・ジョン、1974年の作品。
この曲は僕が、舞台人生で唯一度だけ、
ソロで踊った曲だった。
どこかの小劇場で、やはり友人のダンサーから、
自主公演をやるので参加して欲しい、と誘われた。
彼とその仲間たちは、ジャズは正直微妙だったが、
ブレイクダンスは巧く、女性ファンが大勢いた。
ショーケースだと言うので、
ソロで1曲だけなら、と請け負った。
もちろん、自分で振付も演出もした。
当時の僕が所属していたダンスチームには、
プロのダンサーがいて、
彼女が舞台構成や全体演出をする。
振付はさすがにバリエーションが必要で、
何曲か得意なメンバーに割り振られ、
僕も振付をさせてもらってはいたが、
自分のやりたいようにはできない。
それでも仲間の一員として、
踊れる機会があるだけで幸せだった。
ただテレビやイベントの出演依頼が増え、
副業としてやるには負担が大きくなり、
もっと自由に踊りたい、という気持ちもあった。
ジョージ・マイケルがカヴァーした1991年、
ロンドンのウェンブリー・スタジアムでの、
ライブを収録したバージョンで踊ることにした。
大好きな曲、演奏だったが、
振付するので、改めて歌詞を見た。
本題は、この歌詞である。
邦題「僕の瞳に小さな太陽」は、
かなり意訳だが、悪くないとも言える。
ちなみに、今はネットで、
いくらでも和訳が見られるが、
これがもう酷すぎて笑える。
だいたいが直訳で意味不明。
「僕の太陽を沈ませないでくれ」
「僕の君への想いを消さないでくれ」
言葉って難しい。
だから踊りで表現してみたくなる。
「君がいないと僕は生きていけない」
を、どう言い換えるかだった。
もちろん、正解などない。
ただ僕の場合、踊ればいいのだ。
僕を照らす太陽のような君への想いを。
僕はジョージ・マイケルの声とひとつになる。
それもまた、僕の夢のひとつだった。