本と音楽
家には本がたくさんあった。
そしていつも音楽が流れていた。
中学生になり、片道1時間の電車通学は、
格好の読書タイムだった。
もちろん自分が編集したカセットテープを、
ウォークマンで聴きながら。
気がついたらアガサ・クリスティと、
エラリー・クイーンばかり読んでいた。
ハヤカワ・ミステリ文庫、創元推理文庫、
今も中学生を魅了しているのかどうか。
コナン・ドイルもモーリス・ルブランも著名で、
他にも家にはあったけど少し古典めいた気がした。
名探偵エルキュール・ポアロの灰色の脳細胞に
完全に魅了されている自分がいた。
ベルギー人、ヨーロッパ、オリエント急行列車など、
未知の世界に想像力を掻き立てられた。
名探偵ポワロのシリーズはその後、
イギリスのドラマをNHKが放送していた。
「オリエント急行殺人事件」「ABC殺人事件」など、
タイトルがまたいい。
そしてポワロもミス・マープルも登場しない金字塔、
「そして誰もいなくなった」
原題や島の名前など昨今物議を醸しているが、
それだけ語り継がれるべき名作ということで。
本と音楽があれば、僕は生きていける。
僕は本と音楽でできている。