茜色の空
高速道路
車を走らせ
家に向かう
先を急ぐことはない
すでにもう遅れている
茜色の空に
灰色の山並み
白い月が浮かんでいる
いつもより小さい音で
いつもと同じ曲
後部座席の気配がしない
疲れて眠っているのだろう
帰ったらまた
背筋を伸ばす
束の間の休息だ
ハンドルを握るのも
ブレーキを踏むのも
今はやめられない
僕にしかできないことを
やらなければならない
遠くに浮かぶ
オレンジ色の細長い雲
悪戯書き
思いっきりできたのは
いつ頃までだっただろう
みんなと同じが褒められ
みんなと違えば直された
雲はいいな
1.12