若冲
生誕300年を記念して、2016年に開催された。
2012年に大改装をした、東京都美術館だ。
何度も訪れているお気に入りの美術館だが、
あそこまで並んだのは初めてだった。
ゴールデン・ウィークとはいえ、
たった1ヶ月の会期では当然、
平日も朝から毎日、長蛇の列だった。
京都相国寺の「釈迦三尊像」、
宮内庁の「動植綵絵」を同時に展示した。
伊藤若冲。
人気を決定づけたのは、没後200年の記念に、
2000年京都国立博物館で開催された「若冲展」。
東京での開催が期待され、ようやく2009年に、
「動植綵絵」が東京国立博物館で公開された。
若冲の人気が高まるにつれ、
なかなか観れない枯渇感がブームになった。
京都の商人から隠居後に画家へと転身した。
18世紀後半。花鳥画が多い。
シュールな奇想派と見られていた。
江戸時代後期というと、
江戸で活躍した葛飾北斎が早くから人気で、
海外からの評価も高い。
若冲の作品もかなりの数、
アメリカに買われてしまったようだ。
ジョー・プライスのコレクションが有名で、
2006年に東京国立博物館で展覧会が開催され、
それも若冲人気が高まるきっかけになった。
安土桃山から江戸時代の美術、工藝は、
日本独自の技術で、見直されてきている。
昨今の歴史ブームもある。
国立博物館で若い世代の人を、
多く見るようになった。
よい兆候だ。
きっと、日はまた昇る。
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