週末に

海に行くのを
楽しみにしていた

新しい車の
初ドライブのはずだった

そうまさにそれは
夢になってしまった

夢を掴もうとして
手からするりと落ちた

手応えもない

車から降りた瞬間
潮風に身震いして

車庫に入れる数分さえ
もどかしいほどに

眩しく輝く白い波が
空との違いを教えて

ボンネットはまだ曇りなく
波がエンジンの音を消す

いつも自然と
僕は呟いている

ああ
ただいま

空を舞うかもめが
優しく迎えてくれる

いつもの
冬の海

1.26