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ピーテル・パウル・ルーベンス / メトロポリタン美術館
リベレーションズ
来日すればほぼ必ず、
観に行きたい舞踊団が、僕には2つある。
90年代から、それはずっと変わらない。
それぞれを代表する観たい演目があるのだ。
一つは先に書いた、
アントニオ・ガデスが初代芸術監督の、
スペイン国立バレエ団で「ボレロ」。
もう一つが、長いけど正式には、
アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター。
代表作は1960年初演の「リベレーションズ」である。
アメリカを代表するバレエ団に、
アメリカン・バレエ・シアターと、
ニューヨーク・シティ・バレエがある。
どちらもクラシックだけでなく、
コンテンポラリーの作品を創り続けている。
だがアメリカのコンテンポラリーと言えば、
世界中でその人気を誇る、アルヴィン・エイリーである。
今でも根深く残っている人種差別、
クラシック・バレエ界は、最も遅れている世界でもある。
アルヴィン・エイリーは、黒人として、
誇りを持って、魂の解放を表現した。
それが、「リベレーションズ」の魅力に尽きると思う。
第1部「悲しみの巡礼」
第2部「私を河へ連れてって」
第3部「動け、仲間たちよ、動け」
Reverationsとは、
神の啓示、黙示録に近いだろうか。
副芸術監督だった茶谷正純の存在も、
来日公演が多く日本での人気に貢献した。
僕たち日本人も、白人ではない。
だからこそ感じる刺激、興奮があるのかもしれない。
「リベレーションズ」は必ず最後の演目。
アンコール恒例の手拍子が、必ず血湧き肉躍る。
コンテンポラリーだったのに、
時空を越える名作が、またここにある。