深夜のオフィス街に吹く風の中に明日が見えるかも
昔,日本橋の室町三丁目に三井別館というビルがありました.大学を修了してから私が勤めた建設コンサルタント会社が,このビルの6階にありました.三井別館の竣工は1952年ですから,当時30年ほど経っていたことになります.古いビルでしたが,とても手入れが行き届いて,床や真鍮製の手摺りやドアノブはいつもピカピカでした,
JR総武線快速の新日本橋駅で下車して,大通りを渡り,ビルのはざまの小さな路地を通って会社に通いました.その路地には,蕎麦屋さんがあって,店の前には鉢植えの緑が置かれ,夏には打ち水がうたれ,古い東京の風情がある場所でした.日本橋の市街地再開発計画によって,三井別館も趣のある路地も取り壊され,2019年に地上26階の超高層ビルに建て替えられました.詳しいことは三井のすずちゃんに聞いて下さいね.
私は建設コンサルタント会社に9年間勤めた後に転職して教員になりました.時代はバブル期の後半です.年度末の3月は,プロジェクトの成果納品や竣工検査がいくつもある繁忙期で,誰もが忙しく働いていました.連続で会社に泊まり込むこともありました.早朝の新幹線で出張することも多くありました.今では考えられないような働き方かもしれませんが,誰もが仕事だけではなく遊びにも精一杯で,生き生きとしていた良い時代だったのかもしれません.
転職前,最終の勤務は建設省に納品したシステムの竣工検査で,名古屋への出張でした.金曜日の夜に新幹線が東京駅に到着して私のコンサルタント業務は終了しました.
いつ出張の予定が入るかわからない,あわただしい中,近しい後輩たちが昼ランチの時間帯に送別会を催してくれました.たいへん有難く嬉しいことでした.表題のイメージ画像は,その時,皆さんがプレゼントしてくれたキーホルダーです.大切にしたつもりですが32年間も使ったので,だいぶくたびれてしまいました.いつもズボンの右のポケットに入っていた私の相棒です.今は机の上のトレーの中で休んでいます.
最初,こんなに長く使うとは思っていませんでした.随分長い時間が過ぎてしまいました.プレゼントして下さった皆様にここに記してお礼を申し上げたいと思います.ありがとうございました.
街も人も同じように毎日々々,少しずつ変化してゆきます,容赦なく.大切なのは流されないこと,昔誰かが教えてくれたような気がします.
深夜のオフィス街は,昼とは異なり,何とも言えない心地よい風が吹いています.想像してみてください.駅に続く階段から出てきた外国人紳士はライトさんです.少し先の交差点で待っているお二人はコルビジェさんと三―スさんです.ライトさんはお二人に近づくと,「この街も君たちが考えた通りになって...」横断歩道を渡った3人の影は.路地に入るところで青白い輪郭だけになって暗闇の中に消えて行きました.
根拠となるものは何も無いけれど,ワクワクするような時代が来るような気がします.人の歩いたことのない道を行くのは大変ですが,『諦めない限り夢は逃げてゆかない』でしょう.歩き出してみませんか.
それでは,また,何時か何処かで.
So Long Frank Lloyd Wright Simon and Garfunkel
https://www.youtube.com/watch?v=861n8o_wbi8
コカコーラのCM
https://www.youtube.com/watch?v=C8qD8svHG7c
https://www.youtube.com/watch?v=MKKiWlnkSYo
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