人工知能は,まだ何も考えていないかも...
どのような場合でも,誰かが歩いたことのない場所を進むのは大変なことです.しかし,これほど有意義で,ワクワクした気持ちなれることはないでしょう.どんな些細なことでもかまいませんが,研究には,何か新しい物事が含まれていなければなりません.人の歩いた道を歩いてはいけないのです.語るなら未来をなのです.
たいへん大雑把な表現ですか,現在の人工知能は,ビッグデータにニューラルネットワークシステムを適用して,パラメータ値の設定を行うことで,人の知能のようなシステムを提供しています.その結果は,私たちの期待に十分応えるもので,有用なものとして,広く認められています.さらに高度?な人工知能を開発するために,多くの研究者の努力と巨額の予算が投入されています.
現段階の人工知能は,まだ何も考えていないかもしれません.何処かのラボのシステム中で,自ら考えて「人工知能」を創り出す人工知能が実行中であることを否定する証拠は何もありません.言うまでもなく,自ら考える人工知能が出来れば,人工知能の開発は,私たちの想像もつかないスピードで,想像もつかない先まで進むことでしょう.昔,『人類の次に,地球を支配する者は鉱物である』と書かれた雑誌の記事をふと思い出しました.鉱物とは半導体か?,確かにね,怖...
ヒトの頭脳の中には,自ら新しいことを考えられるシステムが,当たり前のように存在しています.「人工生命」を再現する,クレッグ・レイノルズのボイドモデルが,たった3つの基本行動規則によって構成されているように,思考する人工知能のモデルも.思っている以上に,シンプルな構造なのかもしれません.
ヒトの頭脳は,ビッグデータとダイレクトに接続されていませんし,演算処理スピードも,それほど速くはないでしょう.不思議なことに,ふとしたきっかけで,欠けてしまった記憶が,まるで再構成されたかのように,復元されることが,当たり前のことのように起こります.新しいアイデアを考え出すことも,当たり前のことのように起こっています.
「1/fゆらぎ」で示されているように,現実のこの世界では,単純な物理法則とランダム性が組み合わさることによって「複雑さ」が再現されています.何も根拠はありませんが,非線形システムの考え方と,ストレンジアトラクターなどの複雑適応系の考え方が,思考する人工知能の開発のキーとなるかもしれません.
小中学校で学ぶことは.ますます大切になってきます.あなたが考え出したその新しいことは,本当に有用なことなのか,そうでないのかを判断する思考力はそこで養われます.学ばなくてよい教科などは,ひとつもありません.途方もなく不幸なものを創り出さないためにも,大切なことです.
確かに,求められるものが,「知識」から「智慧」へと移ってきています.教える方も,学ぶ方もそれに追いついていないのが現状です.残念ですが,まだ暫くは,人が「知識」で評価される状態が続くように思います,TVショーのようにね.
ヤング・ジーニアス! めげずに貴方の考えを,簡単に変えることがないようにして下さいね.時の流れの方が,いずれ追いついてきますから.
プログラミングは簡単に始めることができます.マイクロソフト社から「Visual Studio 2022」といった高級な開発環境をダウンロードして,無料で利用することができます.学ぶ方法に関する情報は,ネット上に沢山あります.あなたが使っているパソコンで,あなたが作った,今とは違う人工知能が動き出すかもしれませんよ.その昔,パロアルト研究所でビルとスティーブが感じたワクワクした気持ちと同じものを感じられるかもしれません.
それでは,また,何時か何処かで.
Visual Studio 2022
https://visualstudio.microsoft.com/ja/downloads/
「パロアルト研究所」とは?
https://www.qbook.jp/column/1732.html