コンシューマゲーム機の将棋ソフトの歴史を追ってみる その2 1990~1993年
今回は1990年代はプレイステーション、セガサターンなど「次世代機」が出る前の年までの将棋ソフトについて上澄みを書いていこうかと思う。
1990~1993年に発売された将棋ソフト
1990年
・将棋 初段一直線(HOME DATA、PCエンジン)
1991年
・ファミコン将棋竜王戦(アイマックス、ファミリーコンピュータ)
・初段 森田将棋(セタ、スーパーファミコン)
・森田将棋PC(NECアベニュー、PCエンジン)
・将棋の星(HOME DATA、メガドライブ)
・将棋 初心者無用(HOME DATA、PCエンジン)
1992年
・将棋名鑑'92(ヘクト、ファミリーコンピュータ)
・スーパー将棋(アイマックス、スーパーファミコン)
1993年
・早指し二段 森田将棋(セタ、スーパーファミコン)
・将棋 風林火山(ポニーキャニオン、スーパーファミコン)
・将棋名鑑'93(ヘクト、ファミリーコンピュータ)
各年を振り返ってみる
まずは1990年。PCエンジンに出た1本のみ。後に「魔法」に会社名が変わったHOME DATAのソフト。後も「将棋最強」シリーズを出し続けていた、1990年代を語るのに外せないメーカーの1つである。
Wikiを見る限り、同社名義はこれが初であると思われる。
また、テレビゲームオリジナルが発売された年であり、棋力はアマチュアがまず目指す初段を認定してくれるまでに成長している。
1991年はスーパーファミコンが発売され、当時の主要各ハードに将棋ソフトが出ている。
ファミコン将棋竜王戦は開発がHOME DATAらしく、この年はHOME DETAが各ハードに毛色の違うソフトを発売していたことになる。
そして、定番の森田将棋も2本出ているが、PCエンジン版は全ての森田将棋のタイトルの中でもかなり異色で、軍人将棋ができたり、駒がモンスターにできるなどの特徴がある。
1992年は、対局可能なソフトが1本、データベースが1本出ている。
容量的にそこまで多くの棋譜が入っているわけではないが、古い棋譜を見られる環境が本に限られていた時代としては画期的である。
1993年は続編が2本。そして、ポニーキャニオンが久々に将棋ソフトを出している。内容は「谷川浩司の将棋指南Ⅱ」の焼き直しではあるものの、テレビゲームの将棋ソフトとしては初めての実写(写真だけだが)で棋士、女流棋士が出演している。
ざっとみただけではあるが、1980年代の移植オンリーではなくオリジナルが出るようになった転換期であることがわかる。
また、発売メーカーもHOME DATAが精力的にリリースしたことで、特にPCエンジンが2年だけとはいえいくつかの選択肢ができたことが大きい。
先にも書いたが、初段まで免状がもらえるようになったのはアマチュア目線からみると一つの区切りである。ファミコン版森田将棋の二級からたった2つ上とみられるかもしれないが、級と段という閾はかなり大きい。実力もそうだが、そもそもの扱いが変わってくる。日本将棋連盟の当該サイトを見てもらえばわかる。
最後に
今回は1993年までを扱ったが、1994年からはプレイステーション、セガサターンなどの"次世代機"が発売された年である。この年以降からは圧倒的にソフトの数が多くなるため、次回は1994年だけに絞って紹介予定。本数を確認していないので確定ではないが、本数次第では1995年も含めるかもしれない。