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【3/31】人の手とマッサージ

「君は”ゴッドハンド”に出会ったことがあるか?」と問われたら、私は、「ある!」と勢いよく答えることができる。

ちなみに出会った場所は、インドネシア・ジャカルタの空港である。たぶん日本でいう「ても◯ん」的な立ち位置の、クイックマッサージっぽい感じの、おしゃれとかラグジュアリーとかとは程遠い空間のそこに、彼女はいた。

その日の私はバリ島→ギリ・アイル→ロンボク島→ジャカルタと、インドネシアの旅を満喫した最終日で、これからジャカルタ発の飛行機に乗って成田空港へ帰る、というところであった。飛行機の時間までまだ余裕があったのでぜんぜん期待せずに時間潰しのつもりでそのクイックマッサージっぽい店に入ったのだが、そこで受けたマッサージに私は度肝を抜かれてしまう。担当してくれたのは40代くらいと思われる女性で、強すぎず弱すぎず、凝りを的確に刺激してくれる。気持ちよさのあまり意識が飛びそうになると耳元で「チップ……チップ」「チッププリーズ」としきりに囁いてくるところだけはマイナスポイントだったが、そのマイナスポイントを持ってしてもなおお釣りが来るレベルの神の手の持ち主。1500円くらい+チップ500円くらいという格安価格で、とんでもない贅沢をしてしまった。ただ、おそらく人の移り変わりが激しいであろうクイックマッサージっぽい店+そもそも場所がインドネシアのジャカルタなので、そんなにしょっちゅう行けない、というかあれ以来二度と訪れていない。次に行ってもたぶんもう、彼女はいないだろう。せっかくゴッドハンドに出会えたのに、おそらく二度と会うことは叶わない。チャンスの神様は前髪しかないのである。(?)

これは持論なんだけど、

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