見出し画像

【4/18】田園風景の中に置き去りにされたりしたけれど、私は元気です

この日はリトアニアのシャウレイから首都ビルニュスへ移動する日。どうでもいいけど、「ヴィリニュス」「ビルニュス」「ビリニュス」3通りくらい表記があり、どれを使うのがいいのかいつも迷う。とりあえずこのnoteでは「ビルニュス」表記でいこうかなと思います。

のんびり起床して11時にアパートメントを出る。シャウレイのバスターミナルはアパートメントから直線距離徒歩5分なので楽ちんである。時刻表を見て「カウナス経由…でいいんだよな?」と不安になりながら路線を確認する。別にリトアニアに限った話ではなくどこの国でも長距離バスはそうだと思うけど、経由地がたくさんあるので一瞬「はっ?」となる。まあ合ってるだろうということで、隣接するショッピングモールで化粧品などを見る。クリニークだのランコムだのメイベリンだの、お馴染みの化粧品が売っていることに安心する(買わないが)。

出発時刻になり、バスに乗車。「5」が私のシートナンバーだったので探していると、どこにも番号が書いてない! おばあさんが私に何かを話しかけてくるが、リトアニア語なので意味が1ミリもわからん。しかしおばあさんは笑顔だったので、何かを優しく教えてくれているらしいことを察し、「どこでも好きなところ座っていいってこと?」と勝手に解釈し、空いている席に適当に座る。あのおばあさんが何を言っていたのか未だにわからないが(優しい笑顔でものすごい呪詛を吐かれていた可能性もある)、その後適当に選んだ席で目的地まで座って行けたので、まあたぶん合っていたんだろうということにしよう。

カウナスを経由してビルニュスに行くバスだったのだが、他にも大きな経由地が3つ、ただの道端のバス停みたいなところでもしょっちゅう停まっていた。多くはたぶん日本の首都圏で言う「武蔵小杉」とか「溝の口」みたいな(あるいはもっと小さな)町で、目立った何かがある大都市ではなく住宅地メインのところだったんだと思う。ベビーカーを持っている女性がいたり、スーツケースなどの大きな荷物を持たない人がひょいひょい乗ったり降りたりしていた。途中、高校生くらいの女の子集団が犬に餌をやっているのを見て、「あ、シャウレイの冷蔵庫にチョコ忘れてきた!」と思い出す私。なぜ犬に餌をやっているところを見て自分で買ったチョコレートのことを思い出したのかは不明である。ミルカチョコ、日本で買うときは贅沢品だと思って買うからけっこう後悔する。

バルト三国の公共交通機関は基本的に定刻通り、遅延があったとしても5分以内、しかも治安面もまったく問題がないため、私はすっかり安心しきっていた。しかし、数時間後に「ん?」と異変に気づく。どう考えてもカウナスのバスターミナルに時間通りに着かない。時間通りに着かないということは、カウナスで乗り換えてビルニュスに行くバスに乗れないということである。ピンチ!

でも、こういう経験は初めてではない。イタリアを旅行中にもっと大きいミスをやらかして死ぬかと思ったこともある。なのでカウナスで新しいバスチケットを買えばいいとか、最悪カウナスで一泊すればいいとか、いろんな代替案を思いつく。代替案が頭の中に揃うと「なんとかなるでしょ」とすぐに落ち着いた。むしろバルト三国の治安が良すぎてここまでの旅程が順調すぎたので、ちょっと痛い目見るくらいならいい思い出になるだろうと考える。

ところが、バスはカウナスのバスターミナルには行かず、私はほとんど何もない田園風景の中のバス停に差し掛かったところで突如「降りて!」と言われる。「???」となる私。「ここで待ってるとビルニュス行きのバスが来るから」と、早く発車したいのかちょっとイラついている運転手。ビルニュス行きのバスが来る? 田園風景の中のバス停に? 乗り換えってもっと大きなターミナルとかでしないですか? 「???」状態のままだったが、とりあえず「降りて降りて」と言われるので言われるがまま降りてしまう。そこそこの規模の都市であれば代替の交通機関やホテルなどいくらでも探せるが、何もない田園風景の中に置いてきぼりだと…何もできないぞ!

これはイメージ図です。だいたいこんなところだったがここで降ろされたわけではありません

結論から言うと、どうやらバスは遅れていたわけではなく、最初からこの田園風景の中が乗り換え地だったようだ。田園風景は一応カウナスではあるんだろうが、「経由地:カウナスで乗り換え」とだけ記載されていたら普通は中心部にあるターミナルに行くと思うでしょ! しかしとりあえず、ビルニュス行きのバスはもともと予定していた時刻通りに到着し、私は当初の予定通りの時間にリトアニアの首都ビルニュスに到着したのでした。びっくりした〜。

16時半頃にビルニュスのバスターミナルに到着し、徒歩で旧市街のほうにあるアパートメントまで20分ほど歩く。またも入室方法に戸惑うが、まあ自力で解決しチェックイン。アパートメントって、鍵をまわすのにコツがあったり、暗証番号形式だったとしても最初はちょっと「ん?」となってしまうんですよね。カードキー1つでなんでもできたタリンのホテルを懐かしく思う。

海外の暖房や洗濯機の使い方を調べるのもまた一苦労で、ひとつひとつはたいしたことなくとも積み重なるとすごいストレスになる。道を覚えるのだって公共交通機関の乗り方を覚えるのだって、新しいことに慣れるのって大変なんだ、と海外旅行でいつも思う。引っ越したときも、新しいスーパーでどこで何を売っているか覚えるまでがすごくストレスだった。

部屋で荷解きをし、大通りまで夕食のために出かける。予約したアパートメントのロケーションがかなり良く、目の前にはもうビルニュス大聖堂がある。そして飲食店やスーパーが並ぶ大通りには徒歩5分で行けた。

夕食のため入った店で注文したのはじゃがいもの腸詰と、ステーキと野菜。飲み物は、リトアニアンコーヒーというのにも興味があったが、腸詰がけっこう挑戦なので、飲み物は普通にしようと思いなんの変哲もないミルクコーヒーにした。皿が来てわかるが、まじでじゃがいもが多い。どの皿にもじゃがいもが載っている。懐かしい、この感じ…。リトアニアまで来ると、まあだいたいチェコ料理と同じ雰囲気になる。エストニアやラトビアも似ているが、エストニアはやはりサーモンがメニューに書いてある率が高く、ラトビアはクレープなどが主食になっていることも多い。「じゃがいもでめちゃくちゃ腹が膨れる」ということ以外は、美味しくて満足。しかし、米が食べたい…。

じゃがいもの腸詰(Vėdarai/ヴェダライ)
これはただの肉と野菜です。野菜おいしい!


帰りにスーパーで水とスキットルズを買う。スキットルズは海外旅行の間に必ず買っている。日本でも見かけたら買っている。私、このお菓子が世界でいちばん好きかもしれない…安っぽい人間でごめん。

これは明確に記憶があるんだが、私がスキットルズを初めて口にしたのは小学生のときである。しかも、学校でだった。なんか、磨き残しに反応して歯の隙間が赤く色づく歯科系の薬あるじゃないですか? あれをやれってことになり、その前に「磨き残し」をわかりやすくするためにスキットルズを食わされたんですよ。そして当時、こんなに美味しいものがあるのかと小学生の私は衝撃を受けたのです。給食を除いて原則的に甘いものを食べることが許されない学校で食べたのもあり、余計に沁みたのかもしれない…。

そういうわけで、あれから30年近く時が経過しているわけですが私はスキットルズが大好きです。あの頃はまさか、大人になった自分がリトアニアのスーパーでスキットルズを買っているなんて想像できるはずがなかったけれど。

宿泊先情報

ここから先は

206字
この記事のみ ¥ 300

شكرا لك!