【4/23】クラクフ、最後の街へ
8時くらいに起床し、荷物を詰めて9時頃にプラハのホテルを出る。最初は正直「人生で2回もプラハに来た。3回目はないだろう」と思っていた。でも去るときは、「もしかしたらまた来るかもなあ」とぼんやり考えていた。プラハで、私はまだ見ていないものがある。たとえば旧ユダヤ人街のシナゴーグとか。もう少しちゃんと見たかったのだ、欲を言えば。
しかしそれはそれとして、プラハ本駅に向かう。何往復もしたので、もうだいたい道は覚えていた。迷うことなく9:15には到着し、10:15の列車を待つ。この列車でポーランドのクラクフに向かうのだ。
しかしこのプラハ本駅の短所は、時間ギリギリになるまで列車がどこのプラットホームに来るのか番号が出ないことである。前の日記にも書いたが、20分前にようやく出る、という感じ。一応早めに駅に着いておいたもののやることはないので、バーガーキングでワッパーを食べる。この旅行中、私は3回もバーガーキングに行っている。こんな短期間で3回もバーガーキングに行くこと、日本ではないだろう…。
バーガーキングは、それほどお金持ちではなく胃も小さい私にとって、旅行中なかなかありがたい存在ではあった。日本でもだいたい量が多すぎて食べきれないので私はあまり外食をしないのだが、海外だとこれが顕著で、完食すると身動きがとれないくらい苦しくなっていることが多い。料理1つ頼むだけでこれだから、栄養バランスを考えてサラダも一緒に、なんてなかなかできないのだった。
その点、ワッパーはよい。レタスとトマトと玉ねぎが挟まっているからである。「むしろ野菜を摂取するためにバーガーキングなんだが?」なんて言っても日本の人は誰も信じてくれないだろうが、この旅行においては事実としてそうだった。じゃが・ソーセージ・サワークリーム・じゃが・じゃが・じゃがみたいな食生活になってしまう私に、レタスとトマトと玉ねぎというオアシスを提供してくれるバーガーキング…。
ワッパーを食べ終わってもまだプラットホームが発表されていなかった。お・そ・い・よ! 15分前くらいにようやく「4」と出て、私はいそいそと階段を上がり、4番ホームに出た。
さて、ここで疑問が生じる。プラハからクラクフまで7時間も列車に乗らないといけないので、私はちょっと奮発して、1等車のチケットを買ったのだ。奮発といっても、もともとのチケットが超安いので全然たいしたことないが。1等車で3000円くらいだった気がする。
しかし、「1等車、シート11」と無機質に印字されただけのチケットを見て、私は戸惑う。シート11がある車両はどこに停まるんだ。プラハ本駅は、日本の駅のように「8号車に乗る人はここで待ってなさい」なんて表示はないのである。
おまけに、チェコ鉄道は遅刻するくせに待ってくれない。2分遅れてやってきて、1分後にあっさり出発みたいなことを平気でやる。もし間違った車両に乗ってしまったとして、正しい車両に乗り換えている暇がない。列車が走っている間の車両移動は、やっている人を見たことがない。できるのかよくわからん! そもそも乗り口が急で怖いし。
「せっかく1等車のチケット買ったのに自分の座席がわからず7時間立ちっぱ」という最悪の事態を想定しつつ怯えているところに、遅刻していたチェコ鉄道は悪びれもせず無骨に到着。1等車を慌てて探しまくるが、結論からいうと、1等車は1車両しかありませんでした。1車両しかないので問題なく乗り込み、私の座席にはちゃんと「予約済み:クラクフまで」の紙が挟まっていました。よ、よかった!
席はさすが1等車なのでゆったり、MacBookを開くスペースさえある。私は乗り物酔いをするのでバスで7時間移動となると「寝る」「窓の外を見てぼーっとする」しか選択肢がないのだが、鉄道だと酔わないので「本を読む」「書き物をする」「スマホをいじる」も選択肢に加わる。というわけで、7時間をなかなか快適に過ごし、体感ではあっという間にプラハからクラクフに到着した。角田光代さんの『いつも旅のなか』をここでも読んでいて、すごい気づきを得たりもしたのだが、それはまた別の機会に書くことにする。1等車にしてよかったな〜!
かくして、17:20頃にこの旅の最終目的地であるポーランドのクラクフに到着。クラクフ本駅からは徒歩でアパートメントに向かう。クラクフの治安はいいと聞いていたので特に心配はしていなかったが、着いてみてもやっぱり治安の良さを感じて安心する。横断歩道を渡ろうとしてると車がちゃんと停まってくれたりする。それ以外のときは、私はこれをクラクフに限らずどこの海外の街でも、下手すると日本でもやっているんだが、道路を渡ろうとしている現地の人のうしろをくっついていく。これだと自分で道路を渡るタイミングを考えなくていいので…(※姑息)
18時くらいに宿泊するアパートメントに到着する。今回は入室方法にあまり戸惑わなかった。
この時間帯、東欧はまだ十分に明るい。部屋に荷物を置いて、中央広場のほうまで散歩してみる。
驚くような、息を呑むような美しさはない。ただ、なんとなく「暮らしやすそうな街だ」と思った。ほどよい治安、ほどよい人の流れ、ほどよい文化、ほどよい美しさ。
織物会館のほうも行ってみる。ちょっとしたお土産などを見る。
少し過ごしただけで、私はクラクフがとても気に入った。街のテンションと、自分のテンションが合っている気がする…。テンションの高すぎる街というのがあって、それはローマだったりパリだったりニューヨークだったりするんだが、私にはクラクフが合っている気がする。(クラクフさんは私のことをどう思っているかわかりませんが)
そして晩ご飯。クラクフは5泊するので自炊しようと思っていたのだが、到着当日はさすがに買い物をしている時間がなかったので外食。ピエロギとミニサラダを食べる。野菜!
食べ終わる頃には21時近くになっていた。でも、女性1人で夜に出歩いていても全然大丈夫。今回訪れた国、都市、どこも治安が抜群です。基本的に渋谷より治安が良く、唯一プラハだけが渋谷と同じくらいかな、くらい。
明日はもう少しちゃんと中央広場を見てみようと思い、この日は寝た。
شكرا لك!