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14歳、動悸で知る自分のガチ恋

今までの記事で全く触れていなかったが、私は9歳から23歳頃までそこそこのゲームオタク女子だった。
ゲームオタク、というとオタクに失礼かもしれない。簡単に言うと、FFとテイルズシリーズを楽しむ女子だった。
テイルズシリーズは親友に薦められて始めたのだが、最初にプレイしたエターニアがとても面白かった。この時中学1年生の冬。面白かったと思っているところに、シリーズ新作のデスティニー2が発売するという情報を手に入れて「買ってみよう」とプレイし始めた。

これがまあ、私に刺さる刺さる。デスティニー2は最終的に400時間以上費やした思い出のゲームなのだが、そこに出てきた「ジューダス」というキャラに私は惹かれていた。カッコいい。設定から声から性格から、14歳になろうとしている私に刺さりまくっていた。
デスティニー2は2というだけあって前作がある。ジューダスは前作では「リオン」という名前で主要キャラだったという。エターニアを貸してくれた親友も「リオンカッコいいよ」と言う。彼女が言うなら間違いない、絶対デスティニーもプレイすべきだな!!と決意して14歳の私は中古ゲーム屋のドアを叩いた。プレステ2全盛期のなか、1500円でプレステのソフトを買うのはなんとも不思議な気持ちだった。

意を決してプレイするのだが、思っていた以上にリオンは私の心臓をグサグサ突き刺してきた。おおよそのあらすじは知った上でプレイしているのだが、グサグサと心臓を踏み躙って、そしてあっという間に去っていった。
残された私の心臓はボロボロになってしまった。

それから来る日も来る日もリオンのことを考えて過ごし、とても胸が苦しかった。なんであんなことになってしまったんや、なんでこんなにドキドキが止まらんのや、と思って過ごしていたが、ふと気づいた。

え、もしかして、これが恋……????

人間というのは不思議な生き物で、これがガチ恋だと気づくとドキドキの動悸をコントロールできるようになった。リオンのことを考えている時だけドキドキするようにして、他の時は抑えられるようになった。しかし今思い出しても笑える程、四六時中リオンのことを考えていた。学生時代っていいな。

今で言えば「推し」なんだろう。彼のことをもっと知りたいもっと見たいと設定資料やらラノベやらとにかく買い漁った。移動中はニヤニヤしながらドラマCDを聴いた。私生活をリオンに捧げていた。なんて正しい中二だったのだ、と今でも自分を誇らしく思う。
しかし同時に「はじめてのガチ恋が2次元ってどうなの」とめちゃくちゃ思う。もちろん現実の男の子にも恋をしていたし、デートのようなこともしたことがあったが、あんな動悸は初めてだった。というか、後にも先にも恋愛であんな動悸はしたことがない。もしかしたら本当になにか病気だったのかもしれない、と思うくらい毎日ドキドキしていた。私が柱だったら痣がでていた。

14歳の思い出は、この猛烈な動悸が一番印象に残っている。デスティニーのゲームソフトを見つけた光景すら脳裏に焼き付いている。
最近はとんとRPGをプレイしていないが、時間があったらやりたいゲームは沢山ある。

でもおそらく、あの時以上の情熱をもってプレイできない気がするのは加齢のせいだろうか、、、。

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