VRChatで個展を開いた話
どうも、Cyphiaです。今回はVRChatで個展を開いた話についてです。2020年3月、私は「Cyphia's Art Gallery」というVRChatのワールドを作成・公開しました。このワールドには私が描いた絵がたくさん飾ってあります。公開してからは新しい絵を飾ったりBGMを追加したりと様々なアップデートを施しました。そして先日それが一段落したのでひとまずの区切りとして色々書いていこうと思います。
1.個展ワールドを作ろうと思った動機
主要な動機は多くの人に自分の作品を見てもらいたいというものです。私は普段から趣味で絵を描いています。pixivやtwitterにも絵を投稿していますが、せっかくなのでVRChat上でも絵を見られるようにしようと考えました。
また、純粋に自分の絵を飾ってみたいというのも動機の一つです。現実世界に絵を飾るためにはそのための場所を用意する必要がありますし、私はデジタルで絵を描いているので印刷の必要も出てきます。その点仮想空間では物理的な空間は不要ですし、絵はもともと画像データなのでそのまま使うことができます。ネット環境とそれなりのPCスペックがあればどこからでも見に来れるというのも仮想空間の利点です。
2.制作過程
制作過程について簡単に書きます。だいたいUnityの話です。
まずボクセルで会場となる建物を作ります。それっぽい空間が用意できればいいので手段は何でもいいのですが、使い慣れていたのでボクセルを採用しました。ソフトはMagicaVoxelを使っています。
次にボクセルのデータをUnityに持っていき、照明の設置やVRChatのワールド用に必要なコンポーネントのセットアップを行います。あとは額縁(これもボクセル製)を配置し、そこに最初の絵を飾ってみます。絵の画像データはUnityにインポートしたらSpriteという形式にするとアスペクト比をもとのデータと同じに固定できるので大変便利です。最初は1枚だけ絵を飾った状態でテストし、ワールドそのものや絵のスケール感を確認します。いい感じのスケールに調節できたら額縁ごと絵を複製し、並べていきます。Unity上のHierarchyでは額縁の中に絵のSpriteが入った入れ子構造にしているため、額縁に絵が入った状態そのものを複製することができます。あとはそれぞれSprite Renderer の中身(つまり画像データ)を飾りたい絵に入れ替えていけば絵の展示は完了です。この方式ではすでにオブジェクトとして配置されているものの中身だけを入れ替えることができるので、絵の入れ替えが非常に楽です。
最後にBGMをつけたり小さいアバター用の足場を作ったりしたら完成です。BGMは自作のもので美術館をイメージして作りました。
完成したワールドの全景はこんな感じです。
3.感想と振り返り
個展ワールドを実際に作ってみた感想とその振り返りです。
率直な感想ですが、自分の絵を(見かけ上とはいえ)大きなスケールで色々な角度から見るのは新鮮な気持ちでした。絵がどのように見えるかはなんとなく想像がつきますし、飾っているのはあくまで仮想空間なのですがそれでもやはり「いいな」と思えるものができたと思います。壁一面に絵が飾ってある光景は迫力がありますし、VR環境でそれを見るのはPCの画面で見るよりもずっと良い感じに見えます。
バーチャルでしかできない表現はあえて使いませんでした。その理由はシンプルで、純粋に絵を見ることに焦点を当てていたからです。見た目の派手さよりも絵の見やすさを優先したというわけです。
今回作ったものは単なるアーカイブではなく個展ワールドという「場所」なので、そこに行ったという体験ができるのが面白いところです。
4.今後のアップデート予定
絵を飾るスペースはすべて埋まったので今後は既存の絵と新しい絵を入れ替えていくことになります。ある程度の枚数が溜まったら一度にまとめて入れ替える予定です。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。次のアップデートまでは当分間が空きそうです。まだワールドに来てない方はぜひ一度足を運んでもらえると幸いです。では今回はこのへんで。
リンクなど
Cyphia's Art Gallery
https://www.vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_fc479e62-20fa-4c3a-b30f-b2cf7756e62d
BGM
画像
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