ばっちゃんたちの味2 五目おこわ
大勢集まって、わいわいいいながら食べるご飯って美味しいですね。何を食べるか、より、誰と食べるか、でしょうか。
そんなことも叶わなくなっていますが、気分だけでも。
ばっちゃんたち、人が集まる時とかよくおこわとか赤飯とか作ってて。
”こんばんさぁ○○さんぢのよめっこさぁくるだから、いっぺいつくっかね”
”んだな。いっともむすかね”
これの意味わかる人いらっしゃいますかね(笑)。
たくさん作る時はガスだと火力足りないんで竈門が活躍。
薪を焚べて、お湯沸かして、が子供たちの仕事。
鉈で薪割りも楽しかった記憶。
ばっちゃんたちは具材準備したり蒸籠きれいにしたり。
燃える木の香りとはぜる音聞きながら、出来上がりを待つのもごちそうの一つ。
5合ぐらいのお米なら普通に炊けますが、一斗(十合)ぐらいになってくると加熱に時間がかかって斑炊きになりやすいので、湯炊きにするって教わったのもばっちゃんたちから。
お坊さんたちもたくさん集まったときとか、日光輪王寺の強飯式(ごうはんしき)の時のように五斗十斗と炊かないとけいない時には湯炊きにしていると。
うー、伝統行事ながら、これは飯ハラ?今こんなに食べられる人減っていそうな。
おこわ作る時、蒸すだけで仕上げようとすると、餅米を前日から水に浸しておいたり、蒸している途中でうち水したりしないと、芯が残ったりしますね。で、最初少し湯炊きしておくと、蒸す時間も減らせるし、吸水時間も短くなって。斑なく仕上げられるのと、湯炊きの時の水分調整で固さも自在なのもいいところ。
以前おせちのリメイクで作ってから、だいぶたつので、ぼちぼち食べたい、ピーチク、ピーチク聞こえてきてて。
プロが作ると、もう仕上がりが違いますね、な、mamigeさんもされてて。
木の芽いいですよね。ジェノベーゼならぬキノメーゼも作られてて、わたしも、と思ったら、たった5本で四百円とかしてて泣く泣く断念。
と、のたのた描いてて、ほろっとmamigeさんの今日の記事。パフェ、本職だからさすがだな〜と、ぼ〜っと読み進めてたら、まさかの山菜攻撃、それも無敵の天ぷらで。この予期せぬ2段攻撃に、あえなく轟沈。。。最近爆発反応装甲に対抗して、タンデム弾頭になってるからなあ、ってなんのこっちゃ。
にしても山菜入れとうございました(泣)。
今日のお題
ばっちゃんたちの田舎おこわの再現
ばっちゃんたちの料理、京料理とは真逆で、野菜のアクとかえぐみをそのまま上手に味に変えてて、この雑味が味の深みになって、どんだけ食べても食べ飽きない感じになってて。次の日になると味が染みたりしてまた違う味わいになる、そんな感じになったら、で作ってみました、の今日のお話。
具材の準備
いつものように茸を半日くらい干して。これ、もっと長くていいんですが、作るって決まってから買ってくるんで。ばっちゃんたちは、茸は毎日採れるわけではないんで、痛まないうちに干して保存してたり。野菜も干したりしてました。
餅米はやさしく研いで、水に浸して。2時間くらいかな。
蒸す30分くらい前になったら笊にあけて、よく水気を切って。乾かないように濡れ布巾かけておきます。
”オレらのわけぇころはよ、にぐなんてたけぇからいれられながったよ”って。当然鰹節とか昆布なんか使わずに野菜だけで味を作ってたばっちゃんたちの凄さ。まだそこまではいけなさそうなのと、蛋白質も入れたいので、鶏胸肉を一口大に切って。
生姜は汚れだけこそげて皮ごと千切り。皮が入った方が風味も強くて、お肉柔らかくなります、って受け売りですが、やってみて実感してます。
お肉を生姜、薄口醤油、お酒、みりんで漬け込み。。。あやうくマリネって言いそうになって、ってイタリアンじゃないって。山の幸をいただくお料理ですからね。そういえば、だいたい農家は鶏飼っていて、卵産まなくなると潰して食べててて。本当に命に感謝して命をいただく感じ。当然親鳥だから、お肉硬いけど、味わいは深かったような記憶。じっちゃん若かったころは雉捕って食べてたって。雉も鳴かずば撃たれまい、PATAが鳴いたら、、、病院行きかなあ(泣)。
牛蒡はたわしで少しごしごしして土だけ落として削ぎ切り。
人参もよく洗うだけで皮ごと。野菜は皮の近くが一番出汁がでるので。これ干せば茅乃舎の野菜出汁もどきになりますね。
とはいえ、蓮根は皮の食感悪いので剥きます。田舎風なので白く仕上げなくて良いのと、アクも旨味にする作り方するんで、牛蒡も蓮根もアク抜きはしないで。
薄くごま油曳いたフライパンで、まず牛蒡、次に人参、その次に蓮根、最後に干した茸、といれながら、野菜の旨味が出るように、弱火で時々煽りながらじっくり火を通しながら余分な水分飛ばしながら。どうも、ここで味になるかどうかが決まるみたいで。ばっちゃんたちは大きな鍋いっぱいに作ってるんで、わりとがさっと作ってても味になってたんですが、少量だとここが難しくて。で、ゆっくりと火を通していくと、なんとなく近い感じになったので、こんな感じで。
火が通って、これだけで旨!ってくらいまでになったら、漬け込んでおいた鶏肉、漬け汁ごと投入。時々返してお肉が白っぽくなってきたら全体を和えて。
油揚げにお湯かけて油抜き
短冊に刻んで加えて
時々煽りながら、少ししょっぱいかな、くらいに薄口醤油とみりん加えて。水分たりなければ水加えて。ばっちゃんたちは濃口醤油でやってましたが、湯炊きする時は濃口でやると醤油の風味が強くなりすぎるので。
湯炊き
具材だけ笊にあげてから沸騰させて
水切りしておいた餅米投入。中火の弱火くらいで、切るような感じで底からざっくりまぜながら、水気がみえなくなるくらいまで。
火を止めて具材投入。全体をあえて。
ここで水気少なめでやると硬め、多めでやるとやわらかくもっちりとした感じに。今回は田舎風なので、このぐらいの感じで止めて、硬めの仕上がりに。
蒸しあげ
蒸籠に濡らした蒸布敷いて、入れて。真ん中に蒸気の通る穴をあけておいて。ちなみに二食分なので、2段で蒸してます。穴開けておかないと上段が蒸し足りない感じになるんで、じょうだんじゃない、なんておやじかましている場合ではないので次へ。
強火で15分蒸して。ここは火力勝負。蒸気が弱いと底の方がべっちゃりしやすいので、ぶぉゎ〜っと蒸気があがるくらいで。湯炊きしておくと、10分くらいで食べられるようになるんで早いです。
しかし、誕生日祝いが蒸籠ってどういうことでしょうかね?昨年のことですが。とても嬉しいんですが、その前は下し金で、その前はペティナイフだったし。ま、深く考えるのはやめておきましょう(笑)。
蒸している間に、海苔を軽く炙って香りを立たせてから細めの短冊切りに。
蒸籠のいいところは、そのまんま食卓に出せて、食べる時に蓋開けられることでしょうか。湯気もご馳走な感じ。
海苔をぱらっと散らして。
まだまだばっちゃんたちの味にまでは到達してませんが、ちょっと近づけたような気が。何にも言わなくても、お代わりの仕方とかみてると、仕上がり具合がわかりますね。今回は及第点だったようで。跨がれるとショック大きいですが(笑)。
こういうもの作ると、完全にお郷がでますね。海のうの字も入らない感じになって。春ならさらに蕨、薇とか伽羅蕗とかも入れてましたが、買うととんでもない高級品になってしまうからこれは叶わぬ夢になってますが。
常連の方はお気づきかもですが、なんとなく今日の文章は普通になってしまって。やっぱりイタリア〜ン、でカンツォーネ歌うような気分にならないとキーボードが走らないのかも。っていうか、なんとなくお郷を思う気持ちがしんみりさせてしまうのかも。鴨といえば、ここ1〜2週間、北に向かう鴨たちの群れを良くみますね。はるかシベリアまでの旅の無事を祈らずにはいられません。ってこの前食べたいって言ってたの誰やねん(笑)。
お後がよろしいようで。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。
雨上がりの紫陽花の花芽。まだ小さいのに、濡れた姿が似合う。
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