自転車 の違反も“青切符”~ 道交法改正案を閣議決定(2024.03.05)
|自転車もルールを守らないと凶器になるぞ~
警察庁によると、自転車が関係する交通事故は2022年、全国でおよそ7万件と増加傾向が続いているほか、死亡や重傷事故のうちおよそ4分の3で自転車側に違反行為が確認されているという。
また、自転車運転が歩行者や自転車同士の事故により相手方を死傷させるという事故も発生しているなど、自転車もルールを守らないと凶器になるのだ。
|自転車の交通違反に反則金の制度を導入
政府(警察庁)は自転車運転者の交通違反に対して反則切符の適用の可否等を含め検討してきたが、本日(2024.03.05)自転車の悪質な交通違反に対し、車やバイクなどと同じように交通反則通告制度を適用し反則金を課す、いわゆる「青切符」による取締りの導入を盛り込んだ道路交通法の改正案を閣議決定した。
|対象となる違反は
対象は、自転車の運転行為に対し道交法上の罰則が定められている違反行為の中の112の違反行為。
反則通告制度の対象として、青切符の適用を前提にしつつ、このうち重大な事故につながるおそれのある違反に重点を指向して取り締まることとする方針だ。
具体的な反則通告制度上の重点取締対象
○ 信号無視
○ 例外的に歩道を通行できる場合でも徐行などをしないこと
○ 一時不停止
○ 携帯電話を使用しながら運転すること
○ 右側通行などの通行区分違反
○ 自転車の通行が禁止されている場所を通ること
○ 遮断機が下りている踏切に立ち入ること
○ ブレーキが利かない自転車に乗ること
○ 傘を差したりイヤホンを付けたりしながら運転するなどの都道府県の公安委員会で定められた順守事項に違反する行為
などである。
|赤切符の対象違反行為も拡大
同時に、特に悪質な違反は従来どおり「赤切符」が適用されることになる。
そして新たに赤切符の対象となる違反行為としては
○ 酒気帯び運転
※これまでは酒酔い運転のみが罰則の対象であったが、自転車での酒気帯び運転を禁止して罰則を設ける(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
○ 携帯電話等を使用しながら事故につながるような危険な運転をした場合(ながら運転の禁止)。
などが新設され、これまでの赤切符対象であったあおり運転などを含め24種類が対象となる。
なお、「赤切符」の対象となった場合、切符作成後に検察庁に書類送致され、結果的に刑事罰の対象となる。
|その他の改正
今回の閣議決定では、自転車関係以外でも以下の点などが改正されることになる。
○ モペットなどの原付等区分の明確化
特に海外で「モペット」などと呼ばれているような
電動モーターやエンジンで走行できる二輪車
について、
ペダルを使用して運転するモードにしても、「原付や二輪車」に該当することを明確化する。
電動キックボード等の特定原付制度が新設されたことに乗じて、自転車モドキ製品の販売が拡大されてきている。
これらについて、警察庁等では「原付等である」と広報してきたところであるがユーザー等にそのルールがなかなか理解されていない状況にある。
そこで、いわゆる「モペット」や「フル電動自転車、電動アシスト自転車の切り替え式」などと称して販売されている製品については、「自転車の区分に含まない」こと、「原付等の運転免許が必要」であることが理解できるように、道交法の規定として明文化することとした。
モペッド - Wikipedia
○ 自転車の側方通過時の車と自転車との関係等
車が自転車の右側を追い抜く際、十分な間隔がない時には安全な速度での走行を義務づける。
あわせて、自転車にもできる限り左側を走るよう求め、それぞれの違反に罰則を設ける。
|反則金額は?
個別違反毎に、反則金額が定められることになるが、概ね5,000円から1万2,000円程度になるとのこと。
その理由は、昨年施行された改正法で、運転免許を必要としない特定原付の制度が新設されたが、その際の反則金額および原付に係る反則金額に準じたものになるものと推察される。
|まとめ
いずれにしても、本日閣議決定されたことから、今後通常国会に法改正案が提出され、審議され成立するものと思われる。
なお、改正法案が今国会で成立すれば、青切符制度(交通反則通告制度)は公布から2年以内に、ながら運転、酒気帯びは6カ月以内に施行する方針が示されている。
道交法の改正案はが法律として成立するものと思われることから、自転車運転者は一層ルールを遵守し慎重な運転に心がけましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?