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Walesで、お城に住む

こんにちは。
Made in Walesのモノを集めたセレクトショップ「Cymry(カムリ)」です。(現在、開店準備中)

Walesの玄関口、アバガベニーへ車で迎えに来てくれたのは、ホストであるVina。アバガベニーから車で約40分ほどの道のりで到着したのは、Walesの南部にあるBrecon Beacons国立公園エリア内にある、Penpont(ペンポント)というお家です。

古い門から、家までの道のりまでに1軒のお家と教会があり、緑に覆われた小道から見えてきたのは、お家、というかもうお城でした。

真ん中の建物全てがPenpontの施設。住宅もありながら、
宿泊やパーティ、結婚式もできる施設を備えている。
右はメインの棟で、左はステンドグラスがあしらわれた温室。

厳密にいうとお城ではないのですが、Vinaは貴族の末裔で、この建物はその貴族だったご先祖が1666年頃に建てたお家でした。なので、築約350年!なのです。350年前というと日本は茅葺き屋根の家が主流だったのではないかと想像するのですが…さすが英国。石造りで頑丈な、そして景観に馴染む美しい建築。なんだか日の沈まない国力を感じてしまいました。そして、ここに私は住むの!?と実感が全然湧きませんでした。

家に到着してすぐに、ここのお部屋を使ってねと通されたところは、豪華なダブルベッドとソファが置かれた部屋。“WWOOFで住み込みで働く”ためにきたので、6畳くらいの部屋で、トイレお風呂は共有だと思っていたのですが、私専用のバスルームまであります。私がWWOOFerとして働いて過ごす4週間には本当に豪華すぎる部屋ではありましたが、ここがしばらくの私の住まいとなりました。

結婚式にはゲストルームとなるお部屋でした
暖炉もクローゼットも
専用のバスルーム。清潔感があって可愛らしい。

そして、家の中も一通り案内してもらいましたが、家が広すぎて覚えきれないくらいの部屋数。確かにこの広さのお屋敷を維持、管理していくのは本当に大変だろうなということはわかりました。

ライブラリールーム。ここで夕食後はみんなで団欒。
ライブラリーにある暖炉
イベントや結婚式の際に使用するパーティールーム
みんなが毎日集うダイニングキッチン。15人くらいが座れるテーブル。
貴族だったご先祖の肖像画
キッチンへアクセスできる入口。天気がいい日は必ず外でティータイム

ここには当時、Vinaと夫である元植木師Gavinの2人だけで住んでいました。Penpontはガーデンで野菜やお花を育てて町のレストランなどに卸したり、敷地内のSHOPで販売したり、結婚式場として貸したり、キャンプ場を作ったり、お屋敷の一部を宿泊施設として貸していたり。Gavinが庭でクリスマスツリーを育てて、クリスマス前になったら販売したり。本当にこの広いお屋敷と敷地を活用して出来うる様々なことをして、2人は必死にこのお屋敷を守っていました。

ただ、このPenpontはVinaとGavinの所有物ではありましたが、歴史あるこの場所を守りたい人たちがたくさんいて、広いフィールドやお庭を管理する庭師さんや、宿泊スペースの清掃を手伝う2人の友人、そして畑を守るガーデナーと、いろいろな人がここに出入りしてサポートをしていました。地域の人でもPenpontが好きな人がいて、ボランティアで草取りなどを手伝いに来る婦人も何人かいて、それが本当に素敵だなと感じました。もちろんVinaとGavinもオープンマインドで来る人々を迎えくれるので、2人の人柄も、人々が集まる大きな要因だと思います。人が集う場所としては本当に理想的な循環が生まれているPenpont。

私もこんな良い循環が生まれる場所を作れたらいいなぁという想いが、この頃からぼんやりと心に生まれていました。

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