有田焼は大量生産ではない

最近聞いた話です。

有田に帰郷し有田焼の衰退を憂い

何かしたいと頑張ってらっしゃる方がいます。

その方がおっしゃっていたこと。

「有田焼は大量生産をやめないと

波佐見焼などとの価格競争に負けてしまう」


この話を聞いて私は見当違いだなと思いました。


有田には窯元の展示会が年に2回あります。

新春と夏の展示会です。

この展示会には近郊の商社が各窯元や合同の展示会場に

訪問し、商談をしていきます。

商社はここでのサンプルを注文し

それを持って全国の旅館、料亭などを回り受注を受ける。

受注した分を窯元へ注文する・・・。

という流れです。

なので有田焼は大量生産ではなく

受注生産が基本なんです。

しかも、価格もそんなに安くはない。

そして一般消費者用の焼物を焼いているところも少ない。

基本的には割烹食器などの業務用が多いです。

最近では一般用の食器を作るところも増えましたし

東京や大阪などに自社の店舗を持つ商社もあります。


ではなぜ、有田出身の人でも大量生産を行い

一般用の食器を作って売っていると思うのでしょうか?


それは有田で「大手を言われる窯元が一般用食器を作って売っているから」


香蘭社、深川製磁、源右衛門窯。

全国の百貨店にインショップまたは特選和食器売り場に置いてあります。

そのイメージが強いのではないでしょうか?


しかし、その他大勢の窯元、商社は旅館、料亭などの業務用食器を作っている。


そこが見えずに提案をしても誰も相手にしてはくれないでしょう。

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