五能線に乗って日本海を堪能しよう!(ついでに美味しいものも食べよう)
青森県の西海岸。
日本海側を沿うように走るのがJR五能線です。
昨年、この五能線沿いを自転車で走ったのですが、電車に乗って荒ぶる日本海を延々眺めるのもいいなぁ…と思い、今回決行しました。
まず東京から秋田駅までは深夜バス。
深夜バスを使うのは新幹線より安いのと、早朝に着くので早めに行動ができるというのがあります。
驫木駅で途中下車。次の電車まで2時間。
その間に友達のお墓参りに行って来ます。
友達…というより「お世話になった人」の方が正しく、随分怒られもしました。
雨の予報を見たとき「来るな。余計なことせんでいい」と言われている気もしたのですが、「来たならしゃーない。よく来たな」と言ってもらったような気持ちになりました。
ご都合的解釈ですが💦
お墓参りも行って帰って1時間で終わり、次の電車が来るまでずっと海を見てました。
寄せては返す白波の まにまに無限のしじまを聞く
なんつって(字余り)。
18時22分、青森駅着。
そして18時半に閉まってしまう酒屋さんにダッシュ!
青森市の地酒として有名な「田酒」。
昨年、青森で買って飲んだのがすんごく美味しかったので東京でも買ったのですが、「日本酒に旅させちゃいけない」ってことなのか、青森で買ったやつのような感動がなかったのですね。
なので! どうしても! もう一度青森で買わねばならんのですよ!!!
(ぎり間に合いました💦)
宿にチェックイン、そして晩飯
五能線に乗る。お墓参りする。田酒を買う。
今回の旅の主目的を概ね達成し、ほくほくで宿にチェックイン。
ひとっ風呂浴びたあと、これもやはり昨年来て「ンまい!」と感動した居酒屋さんに再訪しました。
日本酒は田酒(特別純米と山廃仕込み)、八仙、縄文明水をいただきました。
普段は「まずはビール」派なのですが、こちらのお店は管理をきっちりなさっているのか、日本酒がンまい。
元が美味しい日本酒でも、管理を怠ると残念な味(風味)になってしまうのですよねー。
私のアルコール耐性だと4杯が限度なので、ビールはなしで最初から日本酒をいただきました。
で、今回新たに発見したのが「八仙」!
八戸のお酒だそうです。これが美味しかった!
美味しいものを比べても意味はありませんが、田酒に負けず劣らず美味しい。
フレッシュというか、口にいれたとき、ちょっとしたシュワッとするような味わい。
ううむ、これ好き。これも好きー!
青森の日本酒、美味い!
いい感じに酩酊して、宿に帰る…途中で、寄せばいいのに締めのラーメン。
十分食べたと思うのですが、アルコールが入ると満腹中枢がおかしくなるんですかね?
ラーメンだ…ラーメンが食べたい!!
ということで、ちょいと寄ってしまいました。
噂には聞いていたのですが、まずいはずなし。
酔っぱらいの雑な感想で申し訳ないのですが、「濃厚でンまい!!」。
残ったスープにご飯入れたくなりましたが、流石にそれは自省しました。
けどやったら絶対美味しいはず。
そうして長い1日が終わる。
2日目のアサー!
まずは観光の前に腹ごしらえ。
朝8時から開く食堂があり、朝ごはんはそちらでいただくことにしました。
もちろんンまい。間違いなし。
はらこ飯は仙台の郷土料理ですが、いいんだよ細けえことは!
けの汁は青森で小正月に無病息災を祈って作られる郷土料理だそうです。
賽の目に切った大根、人参、凍り豆腐、こんにゃく、油揚げ、山菜などがごろっと入っており、とても美味しい!
観光に行くでござる
青森市で観光といえば
・三内丸山遺跡
・ねぶたの家ワ・ラッセ
・棟方志功記念館
などがありますが、私のイチオシは青森県立美術館。 今回が初訪問でしたが、本当に素晴らしかったです。
(前回来たときは改装中で入れなかった)
青森県立美術館は上に貼った奈良美智さん作の「あおもり犬」があることで有名ですが、ほかにも青森出身の芸術家、棟方志功、今純三、成田亨、寺山修司の作品を常設しています。
なかでも私の目当ては成田亨。
成田亨は彫刻家ですが、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンに登場する怪獣、星人のデザイナーとしても有名です。
展示されている作品の点数は正直、さほど多くないのですが、あーた、これ、生原稿ですよ。
線のタッチというか、息づかいを超至近距離で堪能できる! ハァハァ。
幸い来場者の多くが奈良美智さん目当てだったのか、成田亨コーナーは私の独占状態。
展示されている1点、1点を心ゆくまで味わってきました。
成田亨は、ウルトラシリーズの仕事を「彫刻家のアルバイトではすまされない」と、本気で取り組んだそうです。
同時に、自らが生み出した怪獣たちが「商品」として、作品から切り離され、大量に消費されていくことに苦悩を感じていたとも聞きます。
じつは私もモノを作る仕事をしていまして、その気持ちはわかるような気もします。
シンガーソングライターの中島みゆきさんが著作の中で「歌は誰のものか」という問いかけをしていました。
言葉を紡いだ自分の「思い」がある。
けど言葉は聞いた人が受け取った瞬間、その人のものになる。
それは自分の思いとは違う解釈かもしれない。
果たして歌は誰の所有物なのだろう……という話。
話が逸れましたが、成田亨は稀代の才能を発揮した「怪獣デザイナー」という仕事を離れ、後年は「鬼」をモチーフとした立体作品を作ります。
その「鬼シリーズ」の展示ももちろんありました。
ものすごい迫力でした。
全高は2㍍を超えていると思います。
恐ろしくもあり、神々しくもあり、そうした「鬼」に見下されると、異形なるものへの恐れと尊敬、そしてどこか哀切としたものを感じずにはいられません。
怪獣もそうですよね。
巨大であるがゆえに人間の都合で排除される。
成田亨が鬼にこだわった理由というのは、なんであったのでしょう。
そんなことを考えてしまいました。
今純三という作家を知る
棟方志功は説明するまでもないでしょう。
青森県が生んだ稀代の版画家です。
寺山修司も一定以上の年代の方ならご存知だと思います。
劇団「天井桟敷」を立ち上げ、挑戦的な作品を数多く残した総合芸術家。
美術館では演劇のポスター(シルクスクリーン印刷)が展示されていました。
その他、昭和初期に活躍した今純三という銅版画家の作品が展示されていたのですが、これがもうどれも素晴らしかったのです。
これよかったら拡大して見てください。
写真やスケッチのように、瞬間の情景を切り取ったような作品の数々。
当時の青森の様子が生き生きと描かれ、ちょっとコミカルですらあります。
本当、どの作品も素晴らしくて、ここでもたっぷり時間を使ってしまいました。
作品集があるなら欲しい! と思ったのですが、残念ながらまだ商品化さらていないとのこと。
職員さんに「ぜひにっ」と伝えましたが、今後に期待したいです。
青森煮干しラーメンを食す
帰る時間も近づき、あとは昼飯食って、お土産を買うだけ。
おさない食堂が美味しかったので、もう一度行って別のものを食べるのもいいな(お酒もあるしな)…と悩んだのですが、青森は煮干しラーメンも有名なので、そっちをいただくことにしました。
すごい煮干し感!
あっさりとどっちにしようか迷いましたが(あっさりも絶対美味しいのだと思いますが)、うん、ンまい!
さらにご飯が無料で、「スープに入れて食べるべし」とお店が推奨しているのですから、ね、食べちゃいますよね。
れ、レンゲが止まらん、次はあっさりも食べたい!
さらば青森、また来るぜ!
なんというかですね。
勝手に思っているだけですが、青森も縁ができたというか、「また来たい」と思える土地になっちゃったんですよね。
あの日本海が俺を呼ぶというか…癒やされるというのも違うのですが、なんともこう、眺めていると堪らなくなってくるんです。
あと、食いもんが美味い。
もっと食べたい。
また自転車で走るのもいいな。
雪が降る季節もいいかもな。
お小遣い、また貯めないとな…。
さらば青森、また来るぜ!
おわり
初めて動画を作成してみました! 自分で見てても眠くなります。
眠れない夜にいかがでしょう?
よろしければ字幕をオンにしてご覧ください。
今度こそおわり!
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