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サイクリスト vs. 非サイクリスト!ペダリング時の関節トルクの違いとは?

こんにちは!今日はちょっとマニアックな話題、「ペダリング時の関節トルク」について取り上げます。サイクリング好きの方なら、「効率のいい回転数って何?」と考えたことがあるかもしれませんね。実際、プロのサイクリストは 90~110rpm のケイデンスをよく使います。でも、なぜこの回転数がいいのでしょうか?

今回紹介する研究では、サイクリスト(CY)と非サイクリスト(NC)の下肢関節トルク(足・膝・股関節)を比較して、その違いを調べています。

実験の概要

6名のサイクリストと7名の非サイクリストが、40, 60, 90, 120rpm で 200W の一定出力を維持しながらペダリング。関節のトルク(力のかかり方)を計測しました。

結果!最適な回転数は90rpm!?

測定の結果、いくつかの重要なポイントが見えてきました。

1. 足関節のトルク
• 回転数が増えると、足関節の**底屈トルク(踏み込む力)**は減少。
• サイクリストと非サイクリストで大きな違いはなし。

2. 膝関節のトルク
• **伸展トルク(膝を伸ばす力)**は回転数が増えると減少し、90rpmで最小値を記録。
• 120rpmではやや増加。つまり、90rpmが膝に優しい。

3. 股関節のトルク
• **伸展トルク(股関節を伸ばす力)**は90rpmで最小。
• 120rpmでは非サイクリストの股関節トルクがサイクリストよりも高い!
→ つまり、非サイクリストは無駄な力を使ってしまっているかも?

なぜサイクリストは90~110rpmを使うのか?

この研究の結果からも、90rpm前後が筋肉の負担を減らし、効率よくペダリングできることがわかります。

高すぎる回転数(120rpm)では?
→ 関節トルクが増え、筋肉の負担が大きくなり、疲労しやすくなります。

また、非サイクリストは高回転になるほど股関節のトルクが増え、無駄な筋力を使ってしまう傾向がありました。これはペダリングスキルの違いによるものかもしれませんね。

まとめ:快適なケイデンスを見つけよう!

今回の研究から、サイクリストが90~110rpmを選ぶ理由がよくわかりましたね!
✔ 90rpm前後が最も関節トルクが少なく、効率的
✔ 120rpm以上は筋肉の負担が増え、疲れやすくなる
✔ 非サイクリストは高回転で無駄な力を使いがち

もし「自分のベストなケイデンスは?」と迷っているなら、まずは90rpmを目安にトレーニングしてみるのがおすすめです!

これからも効率よく、楽しくペダリングしましょう!

引用元

題名

「ペダリング運動時の下肢関節トルクにおけるサイクリストと非サイクリストの比較」
(A Comparison Between Cyclists and Noncyclists of Joint Torque of the Lower Extremities During Pedaling)

著者

星川秀利, 玉木啓一, 藤本浩志, 木村裕一, 斉藤浩, 佐藤吉朗, 中村好男, 村岡功

掲載誌:体力科学 (Jpn. J. Phys. Fitness Sports Med.), 1999, 48: 547-558

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