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自転車のペダル回転数と効率の関係|最適なケイデンスは何rpm?
ロードバイクに乗る人なら、一度は「最適なペダル回転数(ケイデンス)」について考えたことがあるのではないでしょうか?
「効率がいいのは低回転? それとも高回転?」
「プロのサイクリストが90rpm以上で回しているのはなぜ?」
そんな疑問に答えるべく、今回はペダル回転数と運動効率の関係を科学的に検証した研究を紹介します!
なぜペダル回転数が重要なのか?
ペダルを回す回数(rpm)が違うと、同じ出力でも「どれだけ楽にこげるか」が変わってきます。
自転車を長時間・高強度で乗るなら、効率よくペダリングしたいですよね。
例えば、低すぎる回転数だと筋肉に負担がかかりすぎて疲れやすく、高すぎる回転数だと無駄な動きが増えてエネルギー消費が大きくなる…。
「じゃあ、どのくらいがベストなの?」って話です。
研究の概要|どんな実験をしたのか?
ドイツの研究チームが行ったこの実験では、9人のアマチュア自転車競技選手と6人の未訓練者(医学部の学生)を対象に、
以下の条件で酸素消費量(VO2)や効率(エネルギー変換効率)を測定しました。
• 負荷:50W、100W、200W
• ペダル回転数:40, 60, 70, 80, 100rpm
つまり、「負荷が変わると、最適なペダル回転数も変わるのか?」を調べたわけです。
結果|最適なケイデンスは変わる!
研究の結果、最も効率が良い(酸素消費量が少ない)ペダル回転数は、負荷によって変わることがわかりました。
負荷 (W) 最適な回転数 (rpm)
50W 40rpm
100W 60rpm
200W 70rpm
つまり、低い負荷ならゆっくり回したほうが効率がいいけど、負荷が高くなると回転数を上げたほうが効率的になる、ということ!
また、興味深いのは、訓練を積んだサイクリストと未訓練者の間で、効率の違いはほとんどなかったという点。
つまり、効率を上げるには「鍛えること」よりも「適切な回転数を選ぶこと」のほうが重要なのかもしれません。
ロードバイクのプロが90rpm以上で回す理由
この研究では最大200Wまでしか測定していませんが、過去の研究によると負荷がさらに高くなると、最適な回転数もさらに上がることが示唆されています。
実際、プロのロードレーサーは90rpm以上で回すことが多いですが、それは彼らが高いワット数(300W以上)で走ることが多いためです。
また、高回転のほうが筋肉の疲労を抑えやすいというメリットもあります。
低回転だと筋肉に負荷がかかりすぎて、脚がすぐにパンパンになってしまいますが、高回転なら負荷が分散されて持久力が上がるというわけです。
結論|自分の最適なケイデンスを見つけよう!
この研究から言えることは、最適なペダル回転数は「一概に○rpmが正解!」とは言えないということ。
ポイントは以下の3つ!
1. 低負荷(LSDやリカバリーライド)なら、40〜60rpmでもOK!
2. 高負荷(FTP走やヒルクライム)なら、70rpm以上が効率的!
3. プロの90rpm以上は、強度が高いからこそ最適な選択!
「回しすぎは良くない!」という人もいれば、「ギアを軽くして回せ!」という人もいますが、結局は負荷によって回転数を使い分けるのがベストですね。
トレーニングでも、低回転・高回転の両方を練習して、最適なペダリングを身につけることが重要かもしれません。
みなさんも、自分にとって最適なケイデンスを探してみてください!
引用元
題名
“Relationship Between Work Load, Pedal Frequency, and Physical Fitness”
著者
D. Boning, Y. Gönen, and N. Maassen